まつもと市民芸術館(松本市深志3)で7月20日~25日に行われる「信州・まつもと大歌舞伎」へ出演する市民キャストの練習が現在、大詰めを迎えている。
2年ぶり4回目となる今年の演目は「三人吉三(さんにんきちさ)」。歌舞伎の名作者・河竹黙阿弥が幕末の混沌(こんとん)とした退廃的な世相を描く。出演は中村勘九郎さん、中村七之助さん、尾上松也さんなど。同館芸術監督の串田和美さんが演出・美術、長塚圭史さんが演出助手を務める。
過去の公演同様、今回もボランティア出演する市民キャストを募集。松本市民を中心に、10代後半から70代まで、52人が参加する。15日からは本格的な稽古を開始。16日には串田さんと長塚さんも参加して、市民キャストが登場するクライマックスシーンの練習を行った。
稽古では、出入りや、人や装置の位置を確認しながら動きを復習。手の位置や目線の高さなどの指導を受け、鏡を見たり、キャスト同士で見せ合ったりする姿も見られた。先月行われた東京での通し稽古の様子をDVDで流すと、実際の役者の演技や衣装、音響などの迫力に、キャストは皆、見入っていた。今後は、細かい動きに気を配りながら、精度を高める練習が本番まで続くという。
同館の前にはのぼり旗がそろい、酒だるも並ぶなど、「歌舞伎ムード」が高まっている。市内では現在、開催に合わせて、6施設を巡るスタンプラリーや、商店などで使える「松本大判」の発売など、町中でも徐々に盛り上がりを見せている。公演期間は、同館シアターパークでチケットがなくても入れる縁日を開催。初日の20日には、恒例の「登城行列」と「松本城 市民ふれあい座」も行う。
公演は今月20日~25日、計8回を上演する。会期中は、8時30分から同館前で当日券の整理券を配布する。残席や詳細については同館まで。