松本・あがたの森公園そばの「喫茶島々(しましま)」(松本市県1)で現在、企画展「新旧おみやげこけしの世界展」が行われている。
「郷土玩具を扱う夢の会社(グループ)」ごっこ社が企画。戦後の観光ブームが起こった時代に全国各地で作られたお土産用のこけしと、アイデアと空想を基に架空の広告やオリジナル民芸品を手掛けるΩ(オーム)社が制作する小さいこけし、合わせて約300点を展示する。
「旧」のこけしは、東京在住のお土産こけしコレクター・大橋則夫さんが所蔵する古品。7年ほど前から集め始めたという。「『これをこけしと呼んでいいのか?』と言いたくなるような自由な発想や豊かな表情を持っているものを選んだ」と大橋さん。300点ほどの中から選んだこけしを、テーマを設けて展示する。「2014夏コレクション」は、胴体がスイカになっているこけしや、水着姿のこけしなど夏や海を連想させるこけしをピックアップ。「こけし温泉」は、湯船につかるこけしや、体を流すこけしなどが並ぶ。
「新」のこけしは、木から削り出して一つ一つ絵付けを施して制作したもの。青果店や鮮魚店、警察官や画家などの仕事着を身にまとった「職業」シリーズや、湯船に入った「つかるこけし」など、さまざまなバリエーションを用意する。サッカー日本代表のユニホームを着た「日本代表こけし」も。
6月21日には、「おみやげこけしの写生会」が行われた。参加者は気に入ったこけしを選び、布用絵の具を使ってエコバッグに描く。ワンポイントとして小さく描かれたものやカラフルなものなど、1時間ほどで個性的な作品が完成した。
「いわゆる『伝統こけし』のような気品はないかもしれないが、自由さと緩さが『おみやげこけし』の魅力」と相澤さん。「歴史的な流れもくみつつ、どちらの世界も楽しんでもらえれば」とも。
Ω社のこけしは全て販売する。こけしの夏シリーズ=756円~、つかるこけし=972円~、「職業」こけし=1,296円など。営業時間は10時~19時。水曜定休。7月8日まで。