松本地域で撮影された映画「リュウセイ」の先行上映が11月16日、松本シネマライツ(松本市高宮中、TEL 0263-24-0122)で始まり、主演の遠藤要さん、佐藤祐基さんらが舞台あいさつに登壇した。
長野と東京を舞台に自分を見つめ直す3人の若者を描いた同作品。中学生時代に同じ場所で流星を眺めた3人が、社会人となり、それぞれの日常を過ごす中で人生を模索する姿を映し出す。松本市出身の河野正人さんが初の映画プロデューサーを務め、今年3月、松本市や塩尻市などで撮影が行われた。「松本を訪れて、自分のイメージと一致したので、ここで撮ろうという話になった」と谷健二監督。
16日の舞台あいさつには、主演の遠藤さん、佐藤さん、谷監督、主題歌を書き下ろした三四六さんが登壇し、松本の印象や映画に込めた思いを話した。主題歌のサビの部分を歌いながら登場した遠藤さんは「松本には何度も来ている。今日食べたそばがおいしかった」。佐藤さんは「ロケはずっと都内だったので、市内は初めて。以前、長野を訪れたときは斑尾高原での撮影で過酷だったので…松本は楽しい(笑)」とコメントした。
長編作品は初となる谷監督は「感想が非常に気になる」と観客に問い掛け、「東京に行ったときの自分と重ねた」との返答に、ホッとした表情を見せた。「3人の気持ちに共感できたので、自分の思いが3人に乗り移れば…と思いながら撮った」。三四六さんは、ライブで主題歌を披露。「3人の人生観はどこにでもある、普通のものかもしれないが、実は誰にも代わることができない唯一無二のもの」と思いを込め、何度も書き直したという。
「自分にとっては役者をやめようかと悩んでいた時期でもあった。そんなときにこの作品に出会い、また頑張ろうと思えた」(遠藤さん)、「撮影中は終始モヤモヤしていた。日常を切り取った映画というのは、演じる側としては難しいが、皆さんにぜひ届けたい」(佐藤さん)。「映画も曲も流行(はや)りすたりのないものになったと思う。いつまでも愛してもらえれば」(三四六さん)。
同作品は同館と、長野市の長野千石劇場で先行上映中。