松本民芸館で「柳宗悦が育んだ松本の民芸」-地元作家の作品120点

バーナード・リーチがデザインした柳澤次男のアームチェア

バーナード・リーチがデザインした柳澤次男のアームチェア

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 松本市里山辺の松本民芸館(松本市里山辺下金井、TEL 0263-33-1569)で現在、企画展「柳宗悦が育んだ松本の民芸」が開催されている。

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 日本民芸の祖と呼ばれる柳宗悦(1889-1961)は、無名の職人たちの技術によって生み出される日用品の数々に美を見いだし、日本各地の手仕事を調査・収集。1946(昭和21)年から10年以上にわたり夏場の1~2カ月間は松本に滞在し、執筆や講演活動以外に、松本の民芸運動の担い手であった作り手たちの技術指導を行っていたという。

 同展では、宗悦と縁のある松本の作り手たちの作品約120点と、同館創設者の民芸作家・丸山太郎が収集した品を展示。染織工芸家・三代澤本寿の型絵染、松本民芸家具の創業者・池田三四郎の木工家具、表具師・森泉音三郎の拓本などが並ぶ。大工修行の後に柳澤木工所(庄内2)を設立した柳澤次男と妻・和子の木工作品は、棚、姿見、盆など。宗悦がデザインした皿立や、バーナード・リーチがデザインしたアームチェアも展示する。次男が入院した際に宗悦が送った書簡も公開している。

 作り手たちの作品は、個人蔵のものがほとんど。「個人蔵のものをこれだけ集めた展示は珍しい」と館長の丸山廣登さん。同館で所在を把握していて依頼した作品もあれば、同館を訪れた人からの申し出で展示することになった作品もあるという。「松本には素晴らしいものがたくさん残っている」と丸山館長。「今は作り手の子どもの代の人たちが大切にしてくれているが、その先もずっと受け継いでいけるように方法を考えなければいけない」と話す。

 「現代のものよりも質が高いというか、作り手たちの真剣さが伝わってくる作品」と丸山館長。「クラフトの原点を感じることができると思う」とも。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、高校生以上=300円、中学生以下は無料。月曜休館。7月15日まで。

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