「日本で一番短い祭り」として知られる塩嶺御野立記念祭が10月12日、塩嶺御野立公園で行われた。
年に2度行われる同祭は、毎年6月は岡谷市、10月は塩尻市の主催となっている。今回は両市の関係者約120人が参列。午前10時、塩尻市職員の「一同、礼」の合図で20秒間頭を下げ、祭りは終わった。
記念碑の前で一礼をするだけの同祭は、明治天皇が1880年6月に塩尻峠を訪れたことを記念して行われているもの。1915年に有志によって記念碑が建てられ、同年から祭りが始まった。その後、昭和天皇が1947年10月に訪れたことから10月にも開催されるようになった。「世界一短い祭り」としてギネスブックに申請したが、承認されなかったという経緯もある。
一礼は、敬意を表するためのもので、以前は10秒ほどだったが、2006年の春、岡谷市側が「敬意を表するには短すぎる」として1分間に延長。同年秋、塩尻市側は「1分間は長すぎる」として30秒に変更したが、今春の岡谷市側は1分で実施した。
一礼の時間に関しては担当者が決め、今回は20秒に。「長すぎても短すぎても難しい」と同市職員は話す。