19世紀の復元ギターでコンサート-松本のコーヒー専門店で

阿部さん(右)と中村さんのデュエット

阿部さん(右)と中村さんのデュエット

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 松本市のコーヒー専門店「豆工房」(松本市蟻ヶ崎6、TEL 0263-33-9123)で2月26日、「19世紀ギターによるお披露目コンサート」が開催された。

「ルネ・ラコート」復刻版とマンドリンの音が響く

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 同店では「豆音楽会」と題して、年に1~3回のペースでコンサートを開催している。25年ほど続けている名物企画で「毎回テーマを変えて行うため、常連が多い。もう何回目か分からない(笑)」と同店店主。今回のテーマは「19世紀ギター(ルネ・ラコート)によるお披露目コンサート」。市内でギター製作を行っているジュン中野さんが制作した、19世紀のギター「ルネ・ラコート」の復刻版を使い、その時代の音楽を中心に演奏した。奏者は阿部将弘さん、中村かおりさん(以上ギター)、友成貴司さん(マンドリン)。

 まず阿部さんが、ギターの説明を兼ねてあいさつ。「本来は制作者(中野さん)がこの場にいて説明するはずなんですが…まだ到着していません」と会場の笑いを誘った後、音楽資料の中で最も古いと言われている変奏曲「牛を見張れ」を演奏した。中村さんと交代しながら、ルネサンス時代の曲やバロック期の曲などを数曲披露。一般的なギターと違った音色に、来場者は耳を澄ませて聴き入っていた。

 程なくして中野さんが到着。コンサートも休憩タイムに入り、コーヒーを飲みながら「図面や資料はどうやって手に入れたの」「弦は…」「構造は…」と来場者を交えて、ギター談義が繰り広げられた。

 後半は、阿部さんと友成さんがデュエット演奏を3曲披露。マンドリンの高くはじけるような音と、同ギターの深みのある音が響いた。最後は同ギターと、「ルネ・ラコート」によく似た形の楽器「ルネサンスギター」で阿部さんと中村さんがデュエット。アンコールにも気軽に応え、計14曲・約2時間の演奏会を終了した。

 独学でギター作りを始めたという中野さん。10年ほど前から19世紀のギターに興味を持つようになり、制作を開始した。そんな中で阿部さんと出会い、互いに意見を出し合いながら完成形へ近づけているという。「温度や湿度によって音が狂いやすくなるみたいなので、解決方法を見つけないといけない」と中野さん。「まだまだ調整中の部分もあるが、みやびな感じの音がして良い。難しいコードを弾くとか早く弾くとかではなく、『音楽そのもの』を大切にしていきたい」と阿部さんはほほ笑む。

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