急性呼吸窮迫症候群のため5日に死去した歌舞伎俳優・中村勘三郎さんをしのぶ記帳台と献花台が12月6日から、まつもと市民芸術館(松本市深志3)2階シアターパークに設けられる。
同館は2008年以降、隔年に行われた「信州・まつもと大歌舞伎」の会場。「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」(2008年)、「佐倉義民傳(さくらぎみんでん)」(2010年)と、中村さんと同館の串田和美芸術監督が市民と共に作り上げてきた。今年6月に食道がんであることを公表し、7月に行われた第3回となる「天日坊(てんにちぼう)」は病気療養中だったが、同18日の千秋楽の公演には飛び入りで登場。終演後は観客が総立ちで拍手し、会場は熱気と歓声に包まれた。カーテンコールで「必ず松本に帰ってまいります」と話した中村さんだったが、これが最後の舞台となった。
同館ホームページでは串田監督が「(千秋楽前日に)まつもと市民芸術館の小部屋で勘三郎さんとふたり、公演を見ながらゆっくり話したのが最後になりました。その時、将来のことや、若い人たちのこと、これから一緒に創りたいと思っている作品のことなど話し合いました。本当にショックです。僕の心の整理がつきません」(原文ママ)とコメントを掲載している。
記帳・献花時間は8時30分~20時。設置は「当分の間」とし、期間は追って同館から知らせる。