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松本でインスタレーション「凡人でごめんなさい」-空きビルを会場に

1日に行われたトークイベント「松本で美術をやるということ」の様子

1日に行われたトークイベント「松本で美術をやるということ」の様子

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 松本の女鳥羽川沿いにある「ワールド不動産ビル」(松本市中央3)3階で現在、松本在住のアーティスト・辰巳量平さんによるインスタレーション「凡人でごめんなさい」が開催されている。

作品を見る参加者たち

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 辰巳さんは信州大学人文学部で言語学を専攻。卒業後は言葉・文字に関する作品を主に制作し、言語による表現の可能性を追求している。同展では、空きビルの3階フロア全体を利用し、部屋だけではなく、踊り場や廊下、給湯スペースやトイレなどに立体サイズの作品を9点展示する。

 タイトルは、現在東京・森美術館で開催中の「会田誠展:天才でごめんなさい」にあやかったもの。今年9月、辰巳さんが作品を出品する機会があったが、その出来栄えを中途半端だと感じ、申し訳ない気持ちになったという。「ごめんなさい」というつぶやきから、会田さんの展示を思い出し、「自分は凡人だと実感した」という辰巳さん。その気持ちをそのままタイトルにすることに決めた。「展覧会名からしてチャレンジングな試みだが、今後どうなるか見ていてもらいたい」(辰巳さん)。

 2階には、会場に訪れた人が話をしたり、考えたりする時間が持てるようにと喫茶室「△(さんかく)ステーション」を設ける。先月3日から先行してオープンし、メンバー7人が運営。読書や情報交換できる場として開放し、毎週土曜にはトークイベント「松本前夜」を開催している。「美術やアートというと、『よく分からない』という人も多いが、敷居を下げるというか、気軽に楽しんでもらえるようにしたいと企画した」とキュレーター担当の石田大祐さん。

 12月1日には、「松本前夜」の5回目として「松本で美術をやるということ」をテーマにトークし、実際に作品を見て、感じたことや自分で考えたタイトルを話し合った。最初、作品を前にしたときには言葉が出ず、沈黙が流れたが、徐々に気になる点や面白いと思った点を話し出す参加者たち。感じたことを細かく説明したり、一言で表したりとさまざまな感想が上がった。「意見交換する場を設けることで、違った見方を知り、自分の考えも深まる」と石田さんは話す。

 開催時間は12時~21時(土曜・日曜は10時~)。入場料200円(コメントを書くと返金)。12月16日まで。8日10時~15時には、関連企画「酷評でお願いします-6カ月後に作り直します-」を開催する。詳細はフェイスブックページで確認できる。

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