松本地域の伝統竹細工・みすず細工の復興に取り組む「みすず細工復活プロジェクト」による「松本みすず細工の手しごと展」が3月10日、中町通りの「中町・蔵シック館」(松本市中央2)で行われる。
「松本みすず細工」は鉛筆ほどの太さの「すず竹」と呼ばれる竹を使って作る伝統的な竹細工。明治・大正を最盛期に、戦後までは「松本のブランド」として海外にも輸出され全国的にも知られていたという。しかし、2009年に最後の「みすず細工職人」が亡くなり、技術が途絶えてしまうという危機に。昨年 4月、市の緊急雇用対策事業として復活させるプロジェクトが立ち上がった。
現在、作り手は6人。作っていた人から直接教えてもらうことができない中、壊れて使えなくなったものを解体したり、他県で作られるすず竹製品を参考にしたり、文献や図解したものを集めたりして編み方を研究。実際に編み始めるまで3カ月ほどかかったという。「当初はどのように編めばいいのか全く分からず大変だった」と、事務局の三沢枝美子さんは振り返る。
当日は、1年間の取り組みの成果の報告・披露としてメンバーが製作したざるや籠、こうりなどを展示。昔の職人の作品や、県外の竹細工も展示する予定。市内でみすず細工を扱う問屋を営んでいた宮沢功さんと、千葉県の竹大工・稲垣尚友さんの座談会も予定する。「掘り起こした技術で復元した私たちの『みすず細工』を見てもらえれば」と三沢さん。「少しでも多くの人に魅力を伝えていきたい」とも。
開催時間は10時~16時30分。入場無料。座談会は14時~。問い合わせは同プロジェクト(TEL 0263-26-8332)まで。