松本山雅F.C.は12月11日、松本市の総合球技場アルウィン(松本市神林)で日本フットボールリーグ(JFL)今季最終戦となる対ソニー仙台FC戦を行った。観客数は1万1956人。
同試合は、東日本大震災で延期していた前期第1節を災害復興支援試合として開催。当日は「One soulプロジェクト」として、入場者数×100円分を、同クラブから義援金として被災地に寄付。このほか、山雅選手による募金活動や、チャリティーグッズの販売、ソニー仙台の本拠地・宮城県の名物である牛タンと石巻焼きそばの販売も行われた。JFLの最多観客動員数である1万3821人を更新してJ2に上がろうという呼び掛けもあり入場時には長蛇の列が。サポーターからも「こんなの初めて」と声が上がった。
ソニー仙台のサポーター席には「祝昇格 松本山雅」「おめでとう!ありがとう!松本山雅FC」という横断幕が掲げられ、「松本山雅」コールが。山雅のサポーターも「ようこそ仙台」と返し、「(J2昇格)おめでとう山雅」「ありがとう仙台」とお互いにエールを送り、会場を一層盛り上げた。
山雅の選手たちが、8月に急逝した松田直樹さんの背番号「3」が背中にプリントされたTシャツを着てピッチに登場。前半は山雅ペースで進んだ試合だったが、後半3点を奪われ、試合は0対3で敗れた。今季の成績は17勝8分け8敗の勝ち点59の4位。今季平均入場者数(震災試合含む)は7461人となり昨年更新したJFL記録5079人を自ら大きく塗り替えた。
最終戦セレモニーでは同クラブの大月弘士社長、加藤善之監督、キャプテンの須藤右介選手があいさつ。須藤選手は「震災やマツさん(松田選手)のことなど、つらいことがたくさんあった一年だったが、皆の応援があったから結果を出すことができた。レベルが高くなるので、一層の応援をよろしくお願いします」と呼び掛けた。その後、選手とスタッフが「ご声援ありがとうございました これからも、ずっと、共に」と書かれた横断幕を持ってグラウンドを一周。戻ってきたところで「One soul」の掛け声に合わせて、チームカラーである緑色の紙テープが会場から一斉に投げ込まれ、J2昇格と選手の健闘を祝った。
12日午後にはJリーグ臨時理事会でJリーグ入会が正式に決定する。同日18時10分から、松本城公園で選手全員とスタッフによる報告会を開く予定。