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松本山雅、公式戦で松田直樹選手を追悼-黒星も観客からは大きな声援

試合終了後、松田直樹選手の横断幕を前に山雅選手がJ2昇格を誓う

試合終了後、松田直樹選手の横断幕を前に山雅選手がJ2昇格を誓う

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 松本山雅F.C.は8月7日、松本市の総合球技場アルウィン(松本市神林)で日本フットボールリーグ(JFL)後期第6節の対SAGAWA・SHIGA・FC戦を行った。観客数は9890人。

山雅カラーとマリノスカラーの横断幕に寄せ書きをするサポーター

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 今月4日に急性心筋梗塞のため34歳の若さで松田直樹選手が急逝してから初めて迎えた試合。会場前には「ありがとう 松田直樹」と書かれた大きな旗に、サポーターが松田選手に向けたメッセージを書き込んだ。旗は山雅カラーの緑と松田選手が16年間在籍した横浜F・マリノスのチームカラーである青の2色で作られ、日本国旗や松田選手の背番号「3」も。入場口脇には献花台が設けられ、多くのサポーターが花や手紙を手向けて別れを惜しんだ。「掲示板」として張り出された模造紙は、松田選手への感謝の言葉や「Jリーグに一緒に行こう」など、さまざまなメッセージで埋め尽くされた。

 ベンチには「松田選手と一緒に戦う」というチームの意志の表れか、松田選手のユニホームが掲げられた。雷雨のため試合開始が1時間遅れたが、サポーターはチームや選手のチャントを歌ったり、ウエーブを起こしたりして会場を盛り上げ、開始を待った。

 試合開始前には黙とうが行われ、山雅イレブンは喪章と「3」の入ったリストバンドを身に着けた腕を強く組み合って祈りをささげた。試合は前半9分に先制点を奪われ、山雅は点を取り返そうと必死にボールを追うが、なかなか得点に結びつかない。さらに12分にはMF須藤右介キャプテンが退場になるなど、厳しい展開に。43分、山雅はFW木島良輔選手を投入。木島選手は「マツ(松田選手)がいるから大丈夫」と、自身のユニホームの下に松田選手のユニホームを着てピッチに立った。

 0-1のまま迎えた後半、13分に山雅にCKのチャンスが。DF李鐘民(イ・ジョンミン)選手からのショートコーナーを受けたMF北村隆二選手がゴール前に上げたボールをDF飯田真輝選手がヘディングで決め、同点に追いつくと選手たちは飯田選手に駆け寄り、喜びを分かち合った。しかし、その6分後、相手に点を奪い返され、試合は1-2で終了。ホイッスルが鳴ると、山雅の選手は全身の力が抜けたようにがっくりとグラウンドに膝をつき涙を流した。松田選手に勝利を届けることができなかった。

 試合後、加藤善之監督が「人生の中で一番つらいことのあった1週間だったが、その中で選手は全力で最後まで走ってくれた。マツはピッチに立てないが、僕たちの心の中でいつまでも生き続けてくれる。マツの無念を晴らすべく、J2へ昇格したい」と観客席に向かってあいさつすると、サポーターは「松田直樹 松本の松田直樹 俺たちと この街と どこまでも」と松田選手のチャントを歌い、全力で戦った選手たちに大きな声援と拍手を送った。

 松本山雅は8月26日、市内で松田選手のお別れ会を開催する予定。

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