今季で松本山雅F.C.を退団する選手の送別会が12月19日、松本市の総合球技場アルウィン(松本市神林)で開催された。
山雅のサポーターチーム「ウルトラス松本」や「チームバモス」らが企画した同会。「クラブに送別会の開催を相談したら快諾してもらえた。やはりホームのアルウィンでやりたかった」と「ウルトラス松本」事務局の関孝一さん。急きょ決まったため、ブログやツイッターなどで開催告知を行ってきたという。
当日はサポーター約1,000人が駆け付けた。南側ゴール裏に選手名や「雷鳥は頂を目指す」などと書かれた横断幕を掲出。コールリーダー・小松洋平さんが「選手たちが次のスタートを切れるように笑顔で送り出そう」と声を掛け、サポーターたちは選手の登場を待った。会には今季で退団する13選手のうち、斎藤智閣選手(27)、竹内優選手(26)、高沢尚利選手(26)、大西康平選手(28)、小澤修一選手(31)、小林陽介選手(27)の6選手が参加。サポーターはそれぞれの応援歌を歌って選手を迎え入れた。サポーターから花束や選手の名前が入った手作りの幕などの記念品が贈呈されると、涙を流しながら受け取る選手も。
記念品贈呈後、ホームゲームのスタジアムDJを務めてきたFM長野パーソナリティーの田中利彦さんが一人ひとりにコメントを求めた。
「JFLに昇格したときの声援がとてもうれしかった。松本はもう自分の家」(斎藤選手)、「けがなどで大変な時期があったが、サポーターのために頑張ろうと思ってここまで来ることができた」(竹内選手)、「松本ってどんな所かと思っていたが、来てみたらとても熱いサポーターが待っていてくれた。松本も山雅も大好きになった」(高沢選手)、「濃い3年間だった。苦しいことや楽しいことなど全て体験できた。このチームにとってサポーターの存在は財産」(大西選手)、「6年間長いようで短かった。何でこんなに多くの人が来てくれるのかわからなかったが、人と人とのつながりや温かさがお客さんを集めているんだと思う。これからも変わらずにいてほしい」(小澤選手)。最後に小林選手が「みんなで戦えたことが自分の財産になった。みんなの魂はいつまでも自分の心の中に残り続ける」と話し、「敵として来たときは、愛のある大ブーイングをして」と会場の笑いを誘った。
最後にオーロラビジョンで選手たちの活躍をまとめた映像を上映すると、すすり泣くサポーターの姿も。選手退場後に退団する選手全員の応援歌を歌い始めると、選手たちが再登場。全員で勝利時に歌う「勝利の街」を歌って会を締めくくった。ホーム戦はほとんど来ているという岡谷市の内川広翔くん(8)は「寂しいけど楽しかった」と笑顔を見せた。おじの内川智幸さん(37)は「去って行った選手のためにも、来年はぜひJ2に昇格してほしい」と来シーズンへ期待を寄せた。