市民記者が執筆した松本ガイド本「松本さんぽ」-新まつもと物語が発行

「松本さんぽ」表紙。松本城や道祖神などが梅川さんによる切り絵でデザインされている

「松本さんぽ」表紙。松本城や道祖神などが梅川さんによる切り絵でデザインされている

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 松本市と協働で公式観光情報サイトを制作運営する市民団体「新まつもと物語プロジェクト」は5月12日、市民記者による市内の見どころをまとめたガイド本「松本さんぽ」を発売した。

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 同書は、一般のガイドブックでは紹介されていない小路や建物、店舗などの魅力を知ってもらおうと、「さんぽ人」と呼ばれる市民記者13人がそれぞれの視点でまとめたもの。写真も自らが撮影したものを使用。松本城から東エリアをメーンに紹介する。

 発売当日、松本市美術館で行われた完成報告会には執筆者も参加。徒士町(おかちまち)を紹介したフリーアナウンサー・大岩堅一さんは「初めてここを通ったときにとても気に入り、松本城などとは違った魅力を伝えられると思ってここを紹介することにした。松本の新しい魅力を感じてもらえたらうれしい」と話した。四季や時間によって変わる山岳の魅力を紹介した都市計画家の倉澤聡さんは「毎日何となく見ている山に、もうちょっと興味を持ってもらいたいと思って…。マンションが建ったりして山が見えづらくなっているので、景観形成づくりのきっかけにもなれば」と都市計画家ならではの見方を示した。

 「一番苦労した人」として紹介されたデザイン担当の梅川茜さんは「冊子のデザインをするのは初めてで喜び半分、心配半分だった」と振り返り、「文字数や写真の枚数などを指定したが、その通りにくれる人はほとんどいなくて心配が的中した(笑)。最初は30ページ程度の予定がどんどん膨らんで82ページになってしまった」と苦労話も添えた。「伝えたいことが次から次へ出てくるのはすてきなこと。増えたページは各記者の思いがあふれ出た分。大変だったが楽しませてもらった」と手応えを感じた様子。

 同団体は、松本市内の井戸やわき水を紹介する「まつもと水巡りマップ」や街を回遊してもらうための「まつもと百てんプロジェクト(M100)」など、歩くことで松本の魅力を伝える運動を行っている。同書はM100の一環で、昨年11月ごろから編集を開始。何度も話し合いを繰り返し、発行にこぎ着けた。

 同プロジェクト会長の林勇次さんは「住んでいる人が良さを知らないと魅力は伝えられないと思うので、松本を訪れる人はもちろん住んでいる人に松本の魅力を再発見してもらえれば」と期待を寄せる。

 A5版82ページ(オリジナル散策マップ付き)。価格は600円。市内の書店、雑貨店などで販売している。市内の図書館でも閲覧可能。

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