塩尻市は現在、住民参加型の公募債「しおじりワイン債」の購入申し込みを受け付けている。
購入対象者は、満20歳以上で塩尻市に住所がある人や塩尻市に縁のある個人をはじめとした市外在住者。1人10万円単位で最高200万円まで購入可能。5年満期で、利率は直近の5年物国債の金利に0.1%上乗せする。購入者には今年収穫するブドウで作る塩尻産ワイン1本を贈るほか、市外の購入者には秋に開くワイナリーフェスタの参加券が付く。発行総額は2億円。資金は建設中の市民交流センターの整備費用に充てる。
2月15日から受け付けを開始。初日から好評で、18日には申し込みが2億円を超えた。「問い合わせも多く、思った以上に反響がある」と同市財務課財政係の高砂進一郎さん。全国の自治体が発行する同様の地方債と比べて利率が特別高いというわけではないというが、「名称がユニークなのと、ワインをプレゼントするということが良かったのでは。資金の利用がわかりやすいということも、広く受け入れてもらえたのだと思う」と好評の理由を分析する。
同市が市民債を発行するのは初めて。資金の使い道を明確にすることで行政に関心を持ってもらうことと、地域ブランドの発信が狙い。同市は「塩尻ワインエキナカビストロ」(今年1月)、「樽ごとワイン」などが話題となった「100万円の信州塩尻ふるさと特別便」(昨年10月)など、ワインを中心にした地域ブランドのPRに力を入れている。同債も5年ほど前から企画を考えてきたという。「地方債とワインとうまく結びつけることができればと試行錯誤してきたことがかたちになった」(高砂さん)。
申し込みは3月10日まで。その後抽選を行い、結果は3月23日に通知する予定。