
ガラス作家・みずのみささんの個展「影を楽しむ秋のガラス」が現在、松本・中町のギャラリー「鳥乃子」(松本市中央3、TEL 0263-50-6636)で開催されている。
グラスや小鉢、片口、コンポート皿をはじめ、花器、オブジェなど約120点を展示する。みずのさんは、小さなガラス片を組み合わせて、熱を加えて溶着・成形する「ムリーニ技法」を用いて制作。「モザイク」シリーズは、グラスや鉢の縁に向かって模様が広がり、手仕事ならではのリズム感を生み出している。
濃い青色や紺、ブラウンなど落ち着いた色合いの作品が中心。店長の斉藤彩美さんは「どこか和の雰囲気を感じる、大人が好むカラフルさがあって、見ていてわくわくする」と話す。テーブルや壁に映る影も楽しんでもらおうと、卓上用のLEDライトを用いたり、窓際に置いたりして、ディスプレーも工夫を施す。
ほかに、氷のようなモチーフを付ける「アイスブロック」シリーズや、花火や銀彩のシリーズも用意。中にモザイクパーツを入れ、ふっくらとしたフォルムに仕上げた鳥のオブジェもある。5月に通りを挟んで斜め向かいにオープンした新館には、ペンダントライトシェードも展示する。
みずのさんは愛知県瀬戸市生まれ。愛知女子短期大学生活デザイン科を卒業してガラス工房に勤務した後、2009(平成21)年、岐阜県多治見市に築炉した。
作品は、2016(平成28)年に開業した当初から常設で扱ってきたという。個展に合わせて、定番以外にも赤や琥珀(こはく)色など秋らしさを感じる色合いのものも依頼した。斉藤さんは「目を引く技の細かさ、配色のセンスなどみずのさんの作品の魅力を、手に取って感じてもらえれば」と呼びかける。
価格は、箸置き=1,400円~、グラス=3,800円~、片口=1万2,000円~など。営業時間は10時~17時(最終日は14時まで)。9月29日まで。