松本中心市街地の未来を考えるイベント「絵に描いた餅を描く」が1月26日、松本市立博物館(松本市大手3)で開かれる。主催は松本都市デザイン学習会。
当日は3部構成。参加型の公開制作は、「曼荼羅(まんだら)」「屏風絵(びょうぶえ)」「メタバース」の3つのブースを設ける。「曼荼羅」は、女鳥羽川、旧開智学校跡地、住む、歩く、トラムなどをキーワードに守りたいものや変わるべきもの、新しく創るべきものを紙とペンを用いて描く。「屏風絵」は、中心市街地の俯瞰(ふかん)写真をベースに、「こうなったらいいな」と思う町の姿を描き足していく。「メタバース」は、全国3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」の松本のデータを使い、VRゴーグルやスマートフォンで駅前記念公園などをメタバース空間で体験し、理想の町並みについて考える。
座談会では、各ブースのファシリテーターや司会を務める同会のメンバー5人がディスカッション。最後は懇親会を行い、手作りぜんざいを振る舞う。同会代表の山本桂子さんは「市民一人一人の考えが、松本の未来をつくることを感じられる場にしたい」と話す。
同会は2010(平成22)年に発足。主に松本中心市街地の歴史を学び、今後について考える活動を続けている。昨年2月からワークショップやシンポジウムを継続的に開き、中心市街地の将来像について話し合う場を設けてきた。「パルコをはじめ商業施設の閉店が相次いで発表されたことで、中心市街地の今後について、関心の高まりを感じている」と山本さん。中心市街地再生計画を進める関係者との意見交換会やフィールドワークも行ってきたという。
同イベントはこれまで約300人と取り組んできた成果の報告の場でもある。昨年5月のシンポジウムで、パネリストとして登壇した信州大学キャリア教育・サポートセンターの勝亦達夫さんが話した「『絵に描いた餅』の共有が次の一歩につながる」という言葉に、同会の活動が重なったという。山本さんは「今の松本に何となく不安を抱いている人も多い。実現する、しないに関わらず、まずは絵に描くことから始まると思うので、気軽に参加してもらえれば」と呼びかける。
開催時間は14時30分~17時30分(入退場自由)。入場無料。