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安曇野・豊科に書店「グリーンベンチブックス」 一軒家を改装、カフェ併設

店内には、良太さんの蔵書を並べたコーナーも

店内には、良太さんの蔵書を並べたコーナーも

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 書店「Green Bench Books」(安曇野市豊科南穂高)が安曇野市豊科・細萱交差点近くの住宅街にオープンして1カ月が過ぎた。

緑色のドアが目印

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 店舗面積は約9坪。一軒家の3部屋をつなげて、土足で上がれるように床はフローリングに変え、壁は白く塗るなどして改装。外から直接入れるように、窓側にドアを付けた。カフェ併設で7席を備え、コーヒーやハニーレモネードアイスティー(以上500円)、マサラチャイ(600円)などのドリンクを用意する。

 本は新刊をメインにセレクト。店主の中村良太さんは「読んだ後に『ちょっと頑張ろうかな』と思えるような、背中を押してくれる本を選んでいる」と話す。料理や旅など生活にまつわる本やエッセーのほか、妻の裕子さんが選書する絵本も多く並ぶ。

 良太さんは横浜市出身。会社勤めをやめて国内外を旅していた時、鳥取県の書店「汽水空港」を訪れ、「世の中にこのような在り方ができるのか」と心を引かれたという。首都圏を離れて自身で何かを始めようと考えた時に、裕子さんから書店を勧められ、気持ちが固まった。移住先を長野市に決めた直後にコロナ禍となったが、引っ越して出店先を検討。景色と住んでいる人の温かさが気に入り、安曇野に決めた。開業準備を進めながら、カフェなどに置く本の選書やブックイベントにも参加してきた。

 店名は、米フロリダ州西海岸にあるセント・ピーターズバーグの「グリーンベンチ」に由来。町中に緑色のベンチが置かれたことで、人々が集い、繁栄したというエピソードを知り、「ウエルカムの気持ちを表したい」と付けた。今後は、セレクトする本の分野を広げ、政治や平和問題など社会科学系も充実させたいという。オープンして1カ月が過ぎ、「気軽に手に取ってほしいけど、全く売れないとなると困る。店を始めたばかりの時は誰しも悩むことかもしれないが、試行錯誤しながら程よいあんばいを探っていきたい」とも。

 周辺は住宅地で夜は静かになるが、「日が暮れた後も、人がいる場所として開けておきたい」と木曜・土曜は20時まで営業する。「本屋は1人で来る人が多いので、リラックスできる空間にしたい。生活になじみ、ほっとできる場所になれれば」と良太さんは笑顔を見せる。

 営業時間は木曜・土曜=13時~20時、日曜=11時~18時。

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