松本市のあがたの森文化会館(松本市県3、TEL 0263-32-1812)で8月20日より、「『日本一短い手紙』と『かまぼこ板の絵』の物語 コラボ展in信州」が行われている。
昨年9月、京都を皮切りに全国巡業をしている同展は今回が5回目、県内では初の開催となる。会場には福井県坂井市が主催する「一筆啓上賞 日本一短い手紙」と愛媛県西予市が主催し毎年募集している「かまぼこ板の絵」がコラボレーションした作品が200点以上並ぶ。
「ふみ」と「え」はそれぞれ別々の場所で、別々の人が作ったものだが、まるでその手紙のために描かれた絵のようにも、絵に合わせて書かれた詩のようにも見え「ひとつの作品」となっている。丸岡町文化振興事業団(坂井市)の代表者と、西予市立美術館の館長が、それぞれ扱っている作品を持ち寄り、今まで応募のあった作品を見ながら「この絵に合う手紙」「この手紙にぴったりの絵」と合いそうなものを選定して、作り上げているという。
同実行委員会の委員長・米澤晋也さんは長野県辰野町で新聞店を営む。昨年、丸岡町の一筆啓上賞の発案者が梓川中学校で講演会をした後辰野町に立ち寄り、その際、作品を見て感動し、「ぜひ長野でも同展を」と実行委員会を立ち上げた。
今回初の取り組みとして、目の不自由な人にも楽しめるように、点字や音声ガイドを制作、絵を感じられるように立体コピーを使うなどの工夫をした。「音声ガイドは盲学校の先生や生徒の協力を得て、どのように読み上げるとイメージしやすいか試行錯誤を繰り返してきた。『同じイメージ』を見ることができたら、という思いで作った」と米澤さん。半年ほど前から準備を進めてきたという。
ほかにも、「感性教育」を重視した取り組みも展開。「子どもにとって、自分の気持ちや相手の気持ちをくみ取ることができる力が大事だと思う。それを感じ取ってもらえれば」(米澤さん)。「どんな感じかな」というコーナーを設け、ネコの気持ちになれるように「自動ネコじゃらし」の展示や、鳥の気持ちになれるように鳥瞰(ちょうかん)図などを展示。子どもたちが自由に遊べる、木のおもちゃを置いた部屋も準備した。
「作品を見ていると自分で『蓋(ふた)』をしていた感情に気付き、自然と開放されるような気持ちになる。そんな『感性が開く』体験をしてもらえれば」と米澤さんは期待を寄せる。
開館時間は10時~20時(最終日は15時まで)。入場料は、一般=600円、中学生以下は無料。今月24日まで。