![冬澤未都彦さん作品「獻草譜」(5枚組)より](https://images.keizai.biz/matsumoto_keizai/headline/1193711166_photo.jpg)
木版画家、冬澤未都彦(みとひこ)さんの「木口木版画展」が、「ギャルリ灰月(かいげつ)」(松本市中央2、TEL 0263-38-0022)で開催されている。
冬澤さんが長年勤めていた会社を辞めて、「ガリ版」による本の制作を始めたのは十数年前。自らの作品を「カリグラフィー」ならぬ「ガリグラフィー」と名付け、字体やレイアウトはもちろん製本にまでこだわった本を制作していた。そのこだわりはふりがなの文字色を変えるなど、随所に見られる。しかし長時間の手作業による負担から手を痛め、制作できなくなってしまったが、昨年、1組の木版画とともに活動を再開した。
同ギャラリーには5枚組の木版画や、ガリ版に手彩の作品、木彫刻などが展示されている。木版画は3~5枚組で、それぞれの作品に共通するモチーフやストーリーで構成されている。繊細で緊張感のある線で描かれているが、モチーフはどこかユーモアで愛らしいものばかりで作者の人柄が表れている。小品だが、その作品の存在感に、じっと覗き込む人も多い。作品は購入も可能。
営業時間は、日曜・月曜・火曜11時~18時30分、木曜・金曜・土曜10時30分~19時。水曜定休。入場無料。10月30日まで。