塩尻市の映画館「東座」(塩尻市大門4、TEL 0263-52-0515)で現在公開中の映画「スポットライト 世紀のスクーブ」に合わせて6月5日、上智大学文学部新聞学科の碓井広義教授による講演会が行われる。
第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をW受賞した同作。アメリカの新聞「ボストン・グローブ」がカトリック教会の醜聞を暴いた実話に基づいた作品。同紙で「スポットライト」という特集記事を担当する記者たちが、地道な調査と取材を続ける姿と、徐々に明らかになる衝撃の真実を描く。
6月5日は13時30分から、碓井教授による講演会を開催する。碓井教授は1955(昭和30)年、塩尻市生まれ。テレビマンユニオンに参加し、20年にわたりドキュメンタリーやドラマの制作を行った後、慶應義塾大学助教授、東京工科大学教授などを経て2010年より現職。専門はメディア論で、「テレビの教科書」(PHP研究所)などの著書を持つ。
当日は、「今、報道番組で何が起こっているのか!」をテーマに、今年に入ってから相次いだテレビの報道番組のキャスターの降板を取り上げ、「ジャーナリズムとしてのテレビ」について考える。「何か圧力があって『辞めさせられたわけではない』と報じられているが、3人ものキャスターが同時降板というのは普通のこととは思えない。皆さんと一緒に考えるきっかけになれば」と碓井教授。
同館では長年、映画をより深く味わってほしいと、上映に合わせてさまざまな企画を実施している。同館の合木こずえさんと碓井教授は幼なじみで、お互い映像の仕事に携わっていたこともあり、「何か一緒に企画できないかと相談したら、今の状況が異常だと懸念している先生が、ぜひ話したいということになった」。
「巨大権力に立ち向かう民衆の力は偉大だと感じる作品」と合木さん。「映画はアメリカのマスコミが舞台だが、講演会では、日本のマスコミで何が起こっているのかを知ることができると思う。この夏の選挙やこれからの政治を考えるきっかけになれば」と話す。
上映時間は、6月10日まで=11時~、15時~、19時~(5日のみ11時~、14時45分~、19時~)、同11日~17日=12時~、14時30分~、18時~。料金は、一般当日=1,700円(前売り・電話予約=1,400円)、大学生=1,300円、65歳以上=1,100円。講演会は上映料金に含まれるが、同館まで予約が必要。