学生が考える地域ビジネスアイデアコンテスト「信州松本RE innovation」が1月17日、松本市中央公民館・Mウイング(松本市中央1)で行われた。
昨年5月から、学生と社会人が働くことや生き方について思いを語る「はたらくってなんだろう会議(はた会)」を定期的に開催してきた同実行委員会が、信州大学でプレゼンを通じてアイデアを共有するグループ「Scrap」の協力で開催。松本をはじめとする信州をより良くするアイデアや事業プランを募集した。
同コンテストでは、来場者が発表を聞くだけではなく、共に課題や改善点を考えるグループワークの時間も設けた。「これまでの『はた会』の要素も取り入れ、ディスカッションの場を設けた」と同コンテストの実行委員長を務める「Scrap」チーフの信州大学繊維学部1年・渡部広機さん。「話し合うことで、発表者も来場者も有意義な時間になれば」と企画した。
当日は、10組の応募から選考を通過した、信州大学や未来ビジネスカレッジ、松本大学の学生5組がプレゼン。グループワークを実施した後、再び登壇し発表し、質疑応答も行った。「長野県の野菜を多くの人に届ける」というアイデアには、継続性や流通システムに関する質問が。「木曽町への移住者を増やす」というプロジェクトには、「最初は観光目的で訪れた人をいかに居住につなげるか」について意見を求めるなど、厳しい声も上がった。
審査の結果、「AR技術を用いた松本山雅新グッズ」が優秀賞とオーディエンス賞を受賞。スマートフォンをかざすと、選手からのメッセージやチャントなどの映像を視聴できるグッズを開発・販売するというアイデアで、サンプルの缶バッジも用意してアピールした。「まさか2つも賞を頂けるとは。評価していただいてうれしい」と発表した信州大学経済学部4年・樋口悟さん。今後は、補助金を利用して法人化を進める予定で、「認可などの問題もあるが、試作段階ではサポーターからも好評だったので、何とか実現したい」と意気込む。
「『はた会』や今日のコンテストを通じて、ビジネスアイデアは世の中にあふれていると実感できたと思う」と審査員を務めたエンジニアリングシステム(笹賀)の柳沢真澄社長。「学生も社会人も、参加した人たちがそれぞれ自分たちにつなげて、自ら行動する機会になれば」と総括した。