松本市出身の舞台女優、齋藤綾乃さんによる一人芝居「オフィーリア エレメンツ」が6月28日、信濃ギャラリー(松本市大手4、TEL 0263-32-0088)で開催される。
齋藤さんが演劇を始めたのは、山梨県甲府市で行われた演劇のワークショップに参加したのがきっかけ。幼いころから宝塚などを見て、舞台へのあこがれがあった。「たまたまワークショップのチラシを見かけて『これだ!』と思い、すぐ応募した」と齋藤さん。それから同市内の劇団「アンドロイド・ヌード・ポーズ」に所属し、活動を続けてきた。
今回の一人芝居は、同劇団の解散をきっかけに、「出身地でもあり、劇団数も多く、けいこ場にも恵まれている松本で再出発しよう」と思い付いた。松本市「まつもと演劇連合会」に「Godsound&Studioend(ゴッドサウンド スタジオエンド)」の劇団名で登録。劇団員も数人いるが、今回は齋藤さんの一人芝居として公演を行う。
同作品は、ウィリアム・シェイクスピア原作の「ハムレット」とハイナー・ミュラーの「ハムレットマシーン」から表現などを抜粋し、ハムレットに恋するオフィーリアにスポットを当て、「女性と世界」を抽象的に表現したもの。ドレスに川の水が染み込み、その重さで川に引きずり込まれて死んでしまったオフィーリアを表現するために、齋藤さんが実際に川に沈む映像もイメージとして流す。同作品で齋藤さんは1人5役を演じる。
衣装、舞台装置、音響、映像は、脚本を読んでそれぞれの担当者がイメージしたものを「コラボレーション」した。「今は、殺人など悲しい事件がワイドショーで流れることが日常になっているという、おかしな世界。今回の登場人物は、すべて人類一人一人の象徴として『人間性とは何か?』を問いかけることを意識した」と脚本・構成を担当したRicoさん。
「今回は『ゴッドサウンド スタジオエンド』の松本での初舞台。『よろしくお願いいたします』という意味を込めて料金はカンパ制にした。気軽に見に来てほしい」と齋藤さん。今後は松本をベースに活動していく予定。
当日は18時~と21時~の2回講演。
信濃ギャラリー松本の演劇情報を掲載したフリーペーパー「まげがみ」、夏号発行(松本経済新聞)「まつもと演劇祭」-長野の劇団30分6本勝負で観客沸かせる(松本経済新聞)