実演やワークショップなどでクラフトと触れ合うイベント「クラフトピクニック」が10月17日・18日、松本・あがたの森公園(松本市県3)で開催された。主催はNPO法人松本クラフト推進協会。
木工、ガラス、染色、陶磁器などのクラフト部門と食品部門を合わせた約110組がワークショップや実演をメーンに出展。木を削ったり、糸を紡いだりするワークショップや、手びきお六櫛(ぐし)の実演などさまざまなブースが並んだ。軽量グライダーやおもちゃなどを作って芝生の広場で遊んだり、ポップコーンを作ったりして楽しむ子どもたちの姿も。2日間、天候にも恵まれ、多くの人でにぎわった。
今年の招待出展「ワラの篭(かご)」のブースでは、自ら素材を調達して制作を行っている戸隠のかご作家・加藤由美子さんが実演を行った。ワラをすぐってたたき、縄になう様子に多くの人が足を止め、真剣に見入っていた。
徳島県でおけやたるの製作・修理をしている「司製樽」は初めての参加。サンプルの展示や、カンナを使って木材を削る体験、同社の原田哲司さんがみそだるにタガを入れる実演などを行った。「子どもたちも意外と興味を持って、楽しんでくれた」と企画・販売を担う「ゆかい社中そらぐみ」池上芽衣さん。「おけやたるがどのようにしてできているのかを知ってもらうきっかけになれば」と話す。
「ものを使う人と作る人が出会い、ものづくりの過程を楽しむ」ことを目的にスタートした同イベント。今年で14回目となり、年々応募者も増えてきている。「これまでのように、希望者全員に出展してもらうわけにはいかなくなってきたこともあり、イベントとしての方向性を話し合う機会も増えた」と事務局長の藤井雄介さん。単なる体験にとどまらず、『技』を見られる機会を増やしたいという声もスタッフから上がったという。「運営側として『こうしていきたい』という意志を持ち、無理にではなく、少しずつその方向へ向かっていけるようなイベントにしていければ」