学生と社会人が働くことについて考える「はたらくってなんなんだろう会議」が信州大学(松本市旭3)で6月22日、行われた。
学生と社会人が一緒に働くことについて考える場として、松本商工会議所青年部と同大の有路憲一准教授の「考えるゼミ」が主催。5月に続き2回目の開催で、学生約40人と社会人13人が参加した。
社長チームや信大卒チーム、公務員チームなど社会人が2、3人ずつ座るテーブルを6つ用意。前半は「はたらくってなんだろう」、後半は「地元ではたらくこと」をテーマに、20分ごとに学生は好きな席に移動し、計4回ディスカッションを行った。テーブルには模造紙を置き、それぞれ感じたことを書き足していった。
学生からは、「興味があることをどんどん仕事にしていきたい」、「仕事を変えるという発想がないので決めた仕事を一生やりたい」という意見や、「地元には、自分がやりたい仕事がない」、「やりたいことと地元がうまく結び付くかどうか分からない」という不安の声が上がった。社会人からは、「街を魅力的にすることが自分の使命だと思っている」(市職員)、「会社も育てる力が弱くなっていると感じる。教えたり伸ばしたりするという余裕がない」(会社経営者)などさまざまな立場からの思いも。話を聞いて「生まれ育ちではなくて、ここが自分の居場所だと思えるところが地元なのかもしれない」という学生も見られた。
一昨年に学生たちが企画した「ビジネスコンテスト」に同会議所青年部が協力したことがきっかけで、「若者たちが就職・定住する契機になれば」とプロジェクトを発足。同会議の運営・進行は学生有志が担当している。「1回目は単に聞くだけになってしまったので、今回は話し合える雰囲気づくりを心掛けた」と同大教育学部1年・小澤正典さん。「もっとさまざまな意見を自由に出せるようにしたい。参加者も増やして活発にしていければ」と同1年・和田彩花さん。有路准教授は「社会との『お見合い』の場みたいなもの。今のうちから少しでも意識を持つことを大切にしたい」と話す。
今後は市内の他校でも同会議を実施し、秋に開催予定の「大会議」に向けて準備を進める。「家族や友達とは違う立場の人たちと、等身大の関係を築くことで学生たちの視野も広がるだろうし、私たちにとっても気付きがある」と同会議所青年部経営研修委員長の米山聡さん。「交流を通じて地元にも興味を持ち、地元で働く楽しさも見つかると思う。地域を巻き込んだ活動にしていければ」とも。