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信毎松本本社が移転で市民参加プロジェクト 伊東豊雄さん、山崎亮さん迎え

さまざまな意見が積極的に交わされ、どんどん話が広がった

さまざまな意見が積極的に交わされ、どんどん話が広がった

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 信濃毎日新聞社が松本本社の移転・新築に向けて「まちなかプロジェクト」をスタートし、市民参加のワークショップが本町ホール(松本市中央1)で6月7日、行われた。

最後はグループごとに発表も

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 同社の松本本社は本町通り沿い、りそな銀行松本支店隣に移転する予定で、建設用地は約3900平方メートル。今年1月から建物の取り壊しを始め、今年中の着工、来年中の完成を目指す。建物の機能や周辺の街づくりを市民と一緒に考えたいと同プロジェクトを発足。設計を担当するのは、まつもと市民芸術館も手掛けた建築家・伊東豊雄さん。同プロジェクトのアドバイザーを「studio-L」(大阪府吹田市)代表のコミュニティーデザイナー・山崎亮さんが務める。「民間企業が社屋を建てるのに、市民の意見を募るというのはこれまでになかったケース」(山崎さん)。

 同プロジェクトのコアメンバー15人は、同社の若手社員や街づくりに関心のある市内の商店主、建築家、信州大学の学生などで構成。4月中旬から1カ月かけて、地域で多彩な活動に携わる市民約100人に、新本社に期待する機能や街の活性化についてヒアリングを実施し、読者からもアイデアを募った。今後、ワークショップを3回開催し、プロジェクト構想をまとめていく。

 当日は約90人の市民が参加し、10のテーブルに分かれてワークショップを行った。まずは自己紹介とワークショップの進め方について練習。和やかな雰囲気の中で、松本の「いま」「これから」を話し合った後、自分の「やりたいこと」を書き出し、「信毎にあったらいいなと思う空間」へ発展。あるグループでは「芸術の街」から、「草間彌生さんをあと100人輩出したい」「街を水玉でラッピングする」「芸術アートの発信スペース」と話が広がった。ほかにも「ランドマーク的な待ち合わせ場所」「山雅のパブリックビューイングや、演劇の公演に使えるようなオープンスペース」「のんびり過ごせるベンチ」などの意見も。同社の機能を生かした「情報の収集、発信する場」という意見も多く上がった。

 伊東さんは松本について「道路と街、道路と建築がはっきり分かれている」と印象を話し、「ハード面では、その間を一本の直線ではなく、もっとあいまいにしていきたい」とも。山崎さんは「初回から密度の濃いワークショップになった。松本を元気にしようという思いが実現する場になれば」と話した。

 ワークショップは、今月21日と7月20日にも開催する。問い合わせは同社松本本社総務部(TEL 0263-25-5080)まで。

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