松本山雅FCの課題や将来像をサポーター、自治体などが話し合う「第2回山雅ドリームサミット」が10月29日、松本市中央公民館・Mウイング(松本市中央1)で開かれた。
「人々の郷土愛に支えられた地域発展」をビジョンとし、サッカーを通じ未来ある子どもたちと市民に夢と希望・感動を与え、地域に元気と活力をもたらすような「ひとづくり」「まちづくり」に貢献することを掲げる同クラブ。同サミットは、市民・ファン・サポーターと、自治体・企業・ボランティアなどさまざまな人たちが「松本山雅を核とした新たなまちづくり」について考える場として先月からスタートした。来年7月までに全7回の開催を予定する。
当日は、「松本山雅FCを生かしたまちづくり」「育成型クラブの確立に向けて」「より安全で快適なスタジアムに向けて」の3つのテーマで議論を展開した。普及・育成担当の高橋耕司さんは、ユースアカデミーの取り組みや課題を説明。プロサッカー選手の育成だけではなく、将来にわたってサッカーに携わる人間を多く輩出することを目指し、活動を広めていくという。「発足当初から考えている『地域への恩返し』はまだまだできていない。今後も課題を共有して、よりよいものにしていきたい」と高橋さん。
大月弘士社長はアルウィンの現状の問題点として座席数や屋根の整備のほか、安全面、運営費などを挙げた。今後の運営については、スポーツを核とした街づくりを担う「スマート・ベニュー」を紹介。ヨーロッパの事例を交えながら、スタジアムをサッカーだけではなく、多機能複合型施設として地域の交流空間とする提案を行った。松本市が掲げる「健康寿命延伸都市」に沿った展開や、美術館や公園など周辺施設との連携、防災拠点として活用する可能性にも触れた。
約100人の市民らが参加。質疑応答では安全面についての対応や、紹介されたヨーロッパの取り組みがどうして可能なのかなどの意見が出された。「ドリームサミットという名の通り、夢を語る場があるのはサポーターとしてうれしい」という声も。
同クラブは11月1日のアビスパ福岡戦に勝利すると、J1の自動昇格が決定する。「次は昇格を決めた後で、また皆さんと話し合いたい」(大月社長)。次回開催は11月20日。