松本・裏町の「鯛萬(たいまん)の井戸」近くにチーズケーキと雑貨の店「むに。」(松本市大手5、TEL 090-8170-4727)が6月6日、オープンした。
テークアウト専門で、店舗面積は約4坪。長野県産牛乳を用いた自家製のクリームチーズと、地元産の卵や国産の小麦粉を使って作るチーズケーキは、日替わりで4~6種類を販売する。「あっさりレア」(260円)、「あっさりベイクド」(280円)をはじめ、紅茶やコーヒー、フルーツが入ったものや卵の代わりにクリームチーズを使ったキッシュなど、価格は1つ300円前後。「乳化剤や安定剤は使っていない。あっさりしているがチーズの味をしっかり感じられる」と店主の広瀬さん。卵、バター、砂糖を使わない「素朴クッキー」(3枚入り150円)も用意する。
店内には帽子やアクセサリー、キャンドル、フェルト小物、ポストカードなどのクラフト雑貨も並ぶ。「地元で活動している方の作品を中心に置いている」と広瀬さん。「みつろうメエ」(大町市)が同店のために制作したチーズケーキの形のせっけん(380円)も。
広瀬さんは、福島県いわき市出身。東日本大震災で被災し、当時3カ月だった長女と一緒に、友人を頼って松本へ移住した。開業を考え始めたのは昨年末ごろ。「健康についていろいろと思うことが増え、『食』について学び始めた。子どもも安心して食べられるものを作りたいと思った」
同店は、スナックなどが軒を連ね、空き家も目立つ「鯛萬小路」にある。「インターネットで探して、家賃が安かったので問い合わせたが、実際に見てちょっと迷った(笑)」と広瀬さん。友人にも相談したが、「自分がお店をオープンすることで、昼間営業する店が増えるきっかけになれば」と決意し、準備を進めてきた。
オープン後は、近くの人が気にして訪ねてきてくれることも多く、閉店前に売り切れになってしまうこともあるという。店名はほかにはないという意味を込め「唯一無二」から付けた。「友人をはじめ、松本の人には本当に助けてもらった。お世話になった人たちに、少しでも恩返しになれば」と広瀬さん。「いつかは2号店、ゆっくりできるようなカフェ併設店も出したい」とも。
営業時間は10時~15時。水曜・日曜・祝日定休(6月29日・30日は休み)。