段ボールで松本城を作る様子を紹介した動画「ダンボールで松本城を本気で築城してみた」が、多くのアクセスを集め、話題になっている。
動画は設計図を描くところから、材料集め、石垣・壁・屋根といった「築城」の過程を約6分半にまとめて紹介している。材料費は約300円、制作期間は6カ月。5月24日に動画投稿サイト「ニコニコ動画」で公開され、現在13万回以上再生されるほどの人気で、「かっこいい!」「職人技だな」と称賛するコメントや、「松本市民のおれ歓喜!」「感動した素晴らしい作品をありがとう@長野県民」など地元からと思われる声も寄せられている。
制作し、動画を撮影・投稿した大ぬ主(うぷぬしゅ)さんは関東在住。これまでに「首里城守礼門」「法隆寺五重塔」を制作した動画も公開している。五重塔の動画でリクエストがあったことと、昨年10月末に実物を見たときの感動から、松本城の制作を決めた。「現存天守を見て、中に入ったのはこのときが初めて。感動もより大きかった」。一番苦労した点は、設計図がなかったことだという。「詳細な図面はなかなか探せないので、写真を見ながら起こすしかない。実物を見ることができると、気になったところを撮影して図面を描くときに参考にできる」
幼いころから、城や神社仏閣など、日本の古い建築が好きだったという大ぬ主さん。父や兄弟と段ボールで工作遊びをよくしていたという。工業高校に進学してからはロボコンやマイコンカーなどに取り組み、一度段ボールからは遠ざかったが、社会人となり再び作り始めた。「下から見た時のクオリティーにこだわっている。現物を見る=下から仰ぎ見るということなので。実物の見たままを、ダンボールの質感を残しつつ再現するのが楽しい」
コメントでは、140種類を超える次回作への要望が寄せられている。「たくさんの方に見ていただき、とても感謝している。リクエストは姫路城が一番多く、私も少し気になっている」と大ぬ主さん。「木組みの細かさや全体のフォルムが好きな平等院鳳凰堂(ほうおうどう)や厳島神社、あとは大正ロマンの雰囲気が残る東京駅や鉄骨の曲線が美しい東京タワーも挑戦してみたいが…人生がいくつあっても足りないですね(笑)」とも。