NPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」は1月20日、「2012松本CINEMAセレクト・アワード記念上映会」をまつもと市民芸術館(松本市深志3)で行う。
熱海の女子高校生2人と男子高校生2人の夏を描く「あの娘が海辺で踊ってる」
同NPOは、1年で最も活躍し、映画ファンに至福の時間を与えてくれた映画人に贈る「松本CINEMAセレクト・アワード」を2008年に創設。5回目となる今年は、最優秀映画賞として、今泉かおり監督の「聴こえてる、ふりをしただけ」を、特別賞「恐るべき子ども賞」として山戸結希監督をそれぞれ選出した。
「聴こえてる、ふりをしただけ」は事故で母を亡くした11歳の少女・サチが直面する現実との葛藤の軌跡を繊細に描き出した作品。精神科の看護師であり、2人の子どもの母親でもある今泉監督が脚本・編集も手掛けている。初の劇場長編作となった同作品は、ベルリン国際映画祭「ジェネレーションKプラス」部門で、準グランプリにあたる「子ども審査員特別賞」を受賞。「シアネスト・オーガナイゼーション大阪」の助成を受け、低予算で製作された同作品を「インディーズらしからぬ一流の風格を備えている」として、最優秀映画賞を授与する。
山戸監督は、上智大学で映画研究会を立ち上げた現役女子大生。「既存の映画らしさに頓着することなく、凶暴なまでに個性的な作品を生み出す『天才』。想像を超えるような可能性を感じる」と同NPOの宮崎善文理事長。ぴあフィルムフェスティバルで入選した「Her Res~出会いをめぐる三分間の試問3本立て~」と、長編デビュー作「あの娘が海辺で踊ってる」を上映する。
両監督を迎え、上映後にはそれぞれトークショーも行う。「どちらも上映している映画館も少ない『小さな映画』だが、見応えがある。ぜひ、足を運んでもらえれば」(宮崎さん)。
Aプログラム(「聴こえてる、ふりをしただけ」上映、今泉監督ゲストトーク)=14時~、Bプログラム(「Her Res~出会いをめぐる三分間の試問3本立て~」「あの娘が海辺で踊ってる」上映、山戸監督ゲストトーク)=17時~。チケットは、前売り=1,400円、当日券=1,800円(一般)、1,400円(学生)。入れ替えなしで鑑賞できる。