「クラシック・ミーツ・モダン」をコンセプトとしたウエディング施設「アルモニービアン」(松本市大手3、TEL 0263-38-1133)が4月1日、オープンした。ブライダル事業を手がけるブライズワード(本社=名古屋市中区)が運営するもので、同施設が3施設目となる。
同施設は、昨年10月に国の登録有形文化財に登録された旧第一勧業銀行松本支店を保存・活用したもの。松本の歴史的建造物として知られる旧勧銀ビルは、2003年に空きビルとなり、一時は取り壊す計画も持ち上がっていたが、保存を願う署名活動が起こり、2万人を越える署名が集まった。
「2万人の署名というのは本当に重く、再生する価値を強く感じた」と話すのは同社専務取締役の橋爪浩文さん。「アルモニーテラッセ」(岐阜県岐阜市)、「アルモニーヴィラ オージャルダン」(愛知県常滑市)という2つのウエディング施設の運営経験から「地域と密着していくことの重要性」を強く感じるという。「地元の文化がわからないといい結婚式はできない。今回も、再生のポイントは『地域密着』にある」(橋爪さん)。その思いは「アルモニー(=フランス語で調和の意)」「ビアン(=財産)」という施設名にも表れている。
吹き抜けとなっている披露宴会場120人程度の収容が可能。9メートルの高さがある天井は6基のシャンデリアで飾られ、披露宴会場と2階にあるチャペルが同居する空間は開放感を演出している。チャペルは新郎新婦を囲むように招待客が集まり「祝福の輪」を描くような円形スタイル。料理は「見た目がフレンチで、食べてみると和食」という和洋折衷のフュージョン料理で、フレンチと和食のシェフがチームとなって考案した。
1日2組限定。当日は、建物全体を貸し切りで使用できるので、2人のオリジナルウエディングを実現することができる。「近くの四柱神社で神前式を行って、人力車で披露宴会場へ向かうという要望や、近くの松本城で記念撮影するといった要望などにもできる限り応えたい」とウエディングプロデューサーの小嶋勲さん。今年末までに88組の成約を目標と掲げ、現在すでに70組近くが成約しているという。
館内にはレストランやカフェ、バーを併設、ウエディング以外の利用も可能。2階のレストラン「POUR TOUJOURS(プール トゥジュール)」では、日替わりランチ(890円)など手ごろな価格で利用できる。「地元の人から愛されないと再生はできない。地元の人が気軽に来てもらえる空間にしていきたい」と橋爪さん。
円形のチャペルで行われた模擬挙式(関連画像)アルモニービアン旧第一勧業銀行松本支店に婚礼施設-先行してサロン開設(松本経済新聞)