松本市里山辺の松本民芸館(松本市里山辺下金井、TEL 0263-33-1569)で現在、「ぬくもりとやすらぎの民芸 玩具・人形展」が開催されている。
同館創設者の民芸作家・丸山太郎氏が収集した国内外の郷土玩具550点余りのうち約300点を展示する。国内は北海道から九州・沖縄、海外は中国、メキシコ、ペルーなどの玩具が並ぶ。正月に合わせ、木製や張り子のだるま20点以上を集めたコーナーも。
色鮮やかな張り子は福島の三春、磐梯熱海や沖縄のもの。歌舞伎の演目や風俗などを写実的に表現している。指先ほどの小さい土びなはカラフルで、三段飾り、六段飾りのものも。北信州に伝わる「中野土人形」や紙で作られた「松本姉様人形」、「松本てまり」など県内のものも多く展示する。丸山廣登館長は「おおむね江戸時代中期から昭和初期に作られたもの。庶民が安価な材料、簡単な技法で作っていたと思われる」と話す。
丸山氏の収集品約7000点を蔵する同館。「普段は木や土など自然の色が中心だが、人形や玩具はカラフルなので館内が明るくなる」と丸山館長。江戸時代、シャボン玉売りが配っていたものや、嫁いできた女性が近所の子どもたちに配ったという人形などもあり、「よくこんな細かいものや小さいものまで集めたな、と思う」と感心する。
「広く庶民に親しまれた素朴な玩具や人形ばかり。ブリキやプラスチックとは少し違う、郷土玩具ならではの手作りのあたたかさを感じてもらえれば」とも。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、高校生以上=300円、中学生以下は無料。月曜休館。2月26日まで。12日には学習講座「民芸に親しむ」を開催する。参加費は500円(入館料込み)。申し込みは同館まで。