NPO法人「コミュニティシネマ松本CINEMAセレクト」は2月11日、特集上映会「2.11に『3.11』を考える」をまつもと市民芸術館(松本市深志3)で開催する。
当日は、東日本大震災を受けて作られたドキュメンタリー映画3本を上映する。「大震災から丸1年を目前に、3本の作品と共に『3.11』とは何だったのか、何であるのかを考えてみたいと思い企画した」と同NPO理事長の宮崎善文さん。上映作品は「大津波のあとに」(森元修一監督)、「槌音(つちおと)」(大久保愉伊監督)、「トーキョードリフター」(松江哲明監督)。
「大津波のあとに」は、大震災の2週間後に被災地の宮城県に入り、仙台、東松島、石巻を撮影したもの。児童108人中74人が津波にのまれてしまった石巻市大川小学校を中心に描く。併映する「槌音(つちおと)」は大久保監督の故郷・岩手県大槌町を映した作品。発生の2週間後に帰省し、スマートフォンのカメラで撮影した映像と震災前の映像を編み込み「鎮魂の映像詩」にした。
「トーキョードリフター」は、ネオンが消えた東京の街を、ミュージシャン・前野健太さんがギターを手に歌いながら夜が明けるまでさまよい歩く姿を追う。「今、この東京の姿を記録しておきたいと思い撮影を敢行した」と松江監督。「撮影する中で、体を使ってクタクタになって朝が来るという当たり前のことを実感した。そうしたシンプルな『実感』が、日々不安を感じていたあの時期には必要だった」と振り返る。
森元監督と松江監督を招き、トークも展開。「映像論ではなく、それぞれが感じた『3.11』を語ってもらえれば」(宮崎さん)、「僕も森元さんも、なぜドキュメンタリーという手法で震災と向き合ったのかが話せれば」(松江監督)。
「『3.11』に関して何一つ終わっていないということ、忘れないということが大事」と宮崎さん。「大震災に関する映像作品はたくさん発表されているし、これからも作られていくと思う。映像に携わる人間として、映像を通して情報の共有をこれからも続けていく」とも。
料金は、「大津波のあとに」&「槌音」=一般1,300円・学生800円、「トーキョードリフター」=一般1,800円・学生1,400円、全作品セット券=一般2,500円・学生2,000円。森元監督と松江監督のトークは17時5分から。上映スケジュールはサイトで確認できる。