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3作家のグループ展「名前の落としかた」-信大生と市美術館が共同企画

消火器やロボット掃除機などを使った梅田さんのインスタレーション

消火器やロボット掃除機などを使った梅田さんのインスタレーション

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 信州大学人文学部芸術コミュニケーション講座(松本市旭3、TEL 0263-37-3247)が現在、松本市美術館との共同企画「名前の落としかた」を同館で開催している。

試し書きのメモや道に落ちていたものなどを使った小栗さんの作品

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 幅広い分野の作家を迎えてワークショップなどを行いながら、芸術表現方法を模索する研究を行う同講座。「学生たちが『アートを通して何ができるか』と考えていくと、話を聞きたい作家が増えていく。いろいろな人の話を聞く中で、人と人をつなげたり、バランスをとったりしながら企画展が形作られていく」と同学部の金井直准教授。4回目となる共同企画。「テーマはいつの間にか『言葉』や『名付け』になった」と話す。

 今回は梅田哲也さん(岐阜県)、小栗沙弥子さん(大阪府)、小林耕平さん(埼玉県)の3人を迎えた。「夏ごろ、梅田さんと小栗さんの話を聞いて、自分たちの固定概念というか…凝り固まっていた感覚がほぐれていくような気がした」と同学部4年の新美正城さん。その後、小林さんを加えて企画展を行うことを決めた。「3人とも作品のために素材を探すのではなく、普段からそこにあるものやありふれた行動から作品を生み出すところに共通点があるのかも」(新美さん)。

 梅田さんは消火器やロボット掃除機などを組み合わせた装置を用いたインスタレーション、小栗さんは試し書きのメモや道に落ちていたものなどを使った作品を展示。小林さんは映像作品2点を上映する。学生が感じたことを記録したノートを展示するほか、作家3人へのインタビュー動画が見られるコーナーも設ける。期間中は同講座の学生が待機し、一緒に話をしながら回ることも。「解説というか…作品を見ながら一緒に考えることができれば」と同学部3年の千木良麻里さん。

 そのほか、ゲストスピーカーを迎えて行うトークセッション(19日)やパフォーマンス、ワークショップも行う。小林さんによるパフォーマンス(20日)には学生がパフォーマーとして参加。小林さんが与える課題に立ち向かう様子を見つめる。「以前は『大根を笑わせる』という課題が出たことも…。難題が予想されるので、ちょっと恐怖もあるが楽しみ(笑)」(新美さん)。

 会場では学生たちが今回の展示を通して感じたこと、学んだことを思い思いにびっしりとつづったチラシを配布している。「こんなに書くことが好きだったのか…と驚いた(笑)」と金井准教授。「『学生の作品』を展示するわけではないが、学生が自分の言葉で話すことで、作家やお客さんにとっても刺激になると思う。そのやりとりが学生にとっての学びになるはず」

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場無料。今月23日まで。パフォーマンスやワークショップの詳細はホームページで確認できる。

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