安曇野エリアの工房・ギャラリー・飲食店などが安曇野の文化を発信するイベント「安曇野スタイル2011」が11月3日に開幕し、6日まで開催される。主催は安曇野スタイルネットワーク。
開催は今年で7回目。安曇野市・池田町・松川村の工房やギャラリー・美術館・飲食店・宿泊施設など95会場・119組の参加者が、工房の公開や作品展示、創作体験、特別メニュー提供などを行う。
穂高駅前の「レンタサイクル&カフェ ひつじ屋」(安曇野市穂高)では、陶芸家の金井三和さんと、同店スタッフで時計作家のサンガキヌヨさんが、グリム童話をテーマに制作した作品を展示する。サンガさんは、白雪姫やラプンツェル、「オオカミと7匹の子ヤギ」のオオカミなどの時計を出品。振り子の部分は、服の柄や足、オオカミのおなかの中にいる子ヤギなどをモチーフにしたユニークな仕上がりに。針は、木や真ちゅうで、作品の雰囲気に合わせて手作りしているという。
木工作家・宇田川隆さんの「アトリエ宇-sora-」(穂高)では自身の作品のほか、ガラスや陶器など知人作家の作品も展示。「そらのさら」(800円~)は、家具を製作する際に出る端材を使って作った皿。「木材は10種類ほど。色や木目の違いはもちろん、同じくらいの大きさでも重さが違うので面白い。木の作品を使うきっかけにしてもらえたらうれしい」と宇田川さんはほほ笑む。
染色工房を併設する「十色屋」(穂高)では同店オリジナルの布作品のほか、陶芸家・田中一光さんの器、「SUMIRIKI JAM」のジャムを並べる。田中さんは、優しい黄色の新作の器も用意。「季節的に暖かい色のものを作りたくて」(田中さん)。「ギャラリー・シュタイネ」(穂高)では、安藤豊彦さんによる陶芸作品とコケ玉、立体造形作品を展示する。個性的な陶芸作品には、さまざまな観葉植物のコケ玉が入る。立体造形は、針金と金属製の網でネコや人体を表現。「余韻や残像を表現している。『あってないもの』に美しさを感じる」と安藤さん。
「安曇野ちひろ美術館」(北安曇郡松川村)では「東北の手しごと展」を開催。東北6県で作られている木工・漆・着物・刺し子など、200点以上を展示している。「今回の震災への支援もあるが、伝統を途絶えさせないという思いも強い。東北のものは素朴だけど美しい。生活の知恵から生まれたものを、たくさんの方に見てもらいたい」と、同館の児玉文嘉さんは話す。
開催時間は各店舗で異なる。各会場の紹介などをした地図(無料)は公式サイトでダウンロードできる。問い合わせは同ネットワーク(TEL 0263-87-0041)まで。