
葛飾北斎「神奈川沖浪裏」タペストリーに彩られたナント歴史博物館
パリから高速鉄道TGVで2時間の場所にあるフランス地方都市ナント。ここナント歴史博物館(ブルターニュ大公城)にて、「小布施の北斎」に注目した大規模な葛飾北斎展(EXPOSITION HOKUSAI)が開催されおり、北斎館は、50周年記念事業の一環として、開催パートナーとして所蔵作品160点を貸与して、全面協力しています。
ヨーロッパ中から100万人以上が訪れるという夏のナントでは、いたるところに掲げられた HOKUSAI タペストリーや、書店にも北斎関連書籍や展覧会図録が陳列された HOKUSAI コーナーが設けられ、街中が北斎で湧き立っています。
すでに展覧会の前売り券は完売。連日1000人以上の入館があり、最終入館者数は12~15万人以上が見込まれています。

ナントの街中に掲げられた展覧会のタペストリー

オープン前日(6月27日)に行われた内覧会には、全国紙やテレビの記者が大勢集まり、熱心な取材のもと、フランス国内メディアに大きく取り上げられました。(記事下部に掲載誌をご紹介しています)

開幕式で挨拶をする北斎館安村敏信館長(中央)とナント歴史博物館のベルトラン・ギエ館長(左)
この企画展では、北斎にとって大切な「水と波」など、いくつかの象徴的なテーマに沿って構成、北斎館所蔵作品160点が陳列されています。

上町祭屋台天井絵「男浪」(テーマ「水と波」) EXPOSITION <<HOKUSAI>> (C) David-Gallard

北斎の人生 EXPOSITION <<HOKUSAI>> (C) David-Gallard

菊図(テーマ「動植物」) EXPOSITION <<HOKUSAI>> (C) David-Gallard

畳敷きの映像ブース EXPOSITION <<HOKUSAI>> (C) David-Gallard / 鳳凰図画像:NTT ArtTechonolgy/アルステクネ
ミュージアムショップでは、日本語・フランス語が併記された512ページの豪華展覧会図録が好評を博しています。この図録『渦潮の北斎 1760-1849 小布施北斎館の名作』は49ユーロ(= 約8,300円)。1600冊が開幕10日で販売され、重版作成中です。日本でも、この秋に北斎館で販売予定です。

図録が好調の展覧会売店。バラエティに富んだ北斎関連ミュージアムグッズ
展覧会場には、若者や子供たちの姿も多く訪れています。また、6月27日の開幕式では、会場外の中庭広場に設置された特設ブースで、小布施の産品のご紹介も行われ、多くの人で賑わいました。

『岩松院八方睨み鳳凰図(複製)』の下で、映像「小布施と北斎」を楽しめる畳敷きの映像ルーム。鳳凰図にはNTT ArtTechnology/アルステクネによる超高精細画像が活用されている。

開幕式にはジョアンナ・ロラン ナント市長(中央・ピンクのドレス)と大宮透 小布施町長(中央・ロラン市長の左)も来場し、双方の文化交流のはじまりを歓びました

鯉のぼりが旗めく広場の特設会場では、よさこい踊りなど日本の催しも開催。多くの人で賑わっています。

開幕日には小布施町・野沢温泉村・友好都市の新潟市など、近隣自治体の紹介ブースも出店され、盛況でした
多くのフランス国内メディアに取材をいただいており、以下にURLを記載させていただきます。また、日本に多くのファンを抱えるのりふらさん(登録者 15.7万人)も展覧会にお越しいただき、会場の雰囲気や実際に訪れた方のインタビューを投稿いただきました。
フランス在住の人気YouTuber のりふら(Nolie France)さんの取材動画
https://www.youtube.com/watch?v=6Hu_XPbT9gM
日刊紙「Le Parisien(ル・パリジャン)」
Exposition : la vague du ma??tre japonais Hokusai deferle a Nantes(意訳:展覧会:日本の名匠・北斎の波がナントに押し寄せる 2025年6月28日)
新聞紙「Le Monde(ル・モンド)」
Hokusai, un artiste voyageur en escale a Nantes (意訳:旅する絵師 北斎、ナントに立ち寄る 2025年7月1日)
美術批評「Telerama」※高評価 4つ星の美術展レビューをいただきました
?? Nantes, les chefs-d’??uvre du musee Hokusai-kan d’Obuse deferlent sur le chateau des ducs de Bretagne (意訳:ナント、小布施・北斎館の傑作がブルターニュ大公城に押し寄せる 2025年7月7日)
新聞紙「Ouest-France(ウエストフランス)」
Hokusai, fluffy pancake, manga… La vague japonaise deferle-t-elle a Nantes ?(意訳:北斎、パンケーキ、マンガ――ナントに日本の波が押し寄せている? 2025年7月22日)
ニュースメディア「franceinfo(フランスインフォ)」
"C’est l'une des 5 images les plus connues au monde ", la Grande Vague d'Hokusai, le chef-d’??uvre de l'art japonais expose a Nantes(意訳:「これは世界で最も有名な5つの図像のひとつ」――ナントで展示される、北斎の《神奈川沖浪裏》。日本美術を代表する傑作。 2025年6月18日)
今回の企画展の評価のポイントは、フランスの北斎展でメジャーだった年代ごとの作品陳列ではなく、北斎館からも提案した「水と波」「植物・動物」「妖怪」などの象徴的なテーマでまとめたことが上げられます。そのことで、小布施・北斎館だけの収蔵作品でも北斎を生き生きとわかりやすく感じ取れる内容となりました。
ベルトラン・ギエ(Bertrand GUILLE)ナント歴史博物館館長のこれまでの展覧会に共通するテーマは、「文明の衝突」にあるとのこと。文化交流とは、自らの文化をさらに深め、それを顕彰(※けんしょう=広く伝えていく)していくということです。
北斎館では、設立50周年を迎える来年2026年に、ナント歴史博物館 凱旋展「小布施 北斎の傑作展」(予定会期:2026年10月24日~2027年1月17日)の開催を計画しております。フランス ナント市の使節団もご招待して、長野の小布施とフランスのナントとの文化・芸術を通したさらなる交流を進めていきます。

北斎館 50周年記念ロゴ
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お問い合わせ先
一般財団法人 北斎館
TEL:026-247-5206
https://hokusai-kan.com/
Instagram:
https://www.instagram.com/thehokusai_kanmuseum/