白馬村と株式会社Zevero(ゼヴェロ:代表取締役 谷内樹生、以下Zevero)は、白馬村全体の温室効果ガス(以下GHG)排出量を把握する「はくば脱炭素アクション」(以下本事業)の一環として、国際的な自治体のGHG算定標準ガイドライン「GPC」に基づいて、2024年度(4月~12月)の排出量(速報値)を算定しました。
国内の「GPC」採用事例はまだ少数にとどまりますが、白馬村は「世界水準のオールシーズンマウンテンリゾート」をビジョンに掲げていることから、GHG排出量の算定においても国際的な標準ガイドラインを採用し、世界基準の評価を受けられる基盤整備を行っています。
<算定結果(単位:t-CO2 eq)> 算定期間:2024年4月~12月の9か月間
- 固定エネルギー:36,793.000
- 廃棄物 : 52.283
- 運輸 :17,831.000
- 白馬村合計 :54,675.283
(用語説明)
- 固定エネルギー:白馬村域内の住宅・施設における燃料・電気の使用に係るGHG排出量
- 廃棄物 :白馬村域内の廃棄物、排水処理に係るGHG排出量
- 運輸 :白馬村域内を走行する交通機関(自動車、鉄道等)に係るGHG排出量
<※GPCについて>
GPCは正式名称を「Global Protocol for Community-Scale GHG Emission Inventories(地域単位の温室効果ガス排出インベントリに関するグローバル・プロトコル)」といい、都市や自治体がGHG排出量を算定・報告するための国際的な標準ガイドラインです。
WRI(世界資源研究所)、C40都市気候リーダーシップグループ、ICLEI(地方自治体のための持続可能性イニシアチブ)の3団体によって共同開発され、都市レベルの脱炭素戦略や気候変動対策の基盤として国際的に広く活用されています。
GPCでは、施設のエネルギー使用、交通・運輸、廃棄物処理などの排出源を対象とし、「BASIC」と「BASIC+」という2つの報告レベルを提供しています。今回白馬村では「BASIC」レベルを採用しました。
<白馬村ゼロカーボンロードマップとの比較>
白馬村が策定したゼロカーボンロードマップにはGHG排出量として、基準年(2016年)の実績及び目標年(2030年、2050年)の排出目標が定められています。算定方法や使用データが異なるため参考情報となりますが、現状把握を目的に本事業の算定結果と比較しました。
比較結果として、2024年は2016年に対して約39%の減少となりました。今後12か月の実績値を用いてより精度の高い比較分析を行う予定です。
なお比較にあたっては以下2点の調整を行っております。
1. 9か月の実績値を12か月間の推計値に変換
冬季に入りエネルギー使用量が大幅に増加した12月の実績を、今回算定範囲に含められなかった2025年1月~3月にあてはめて12か月の推計値としました。
2.森林吸収値の除外
今回採用したGPC「BASIC」レベルでは森林吸収を含めないため、ゼロカーボンロードマップの森林吸収値を除外しました。
調整後のGHG排出量
- 基準年(2016年):143,369(t-CO2 eq)※森林吸収値を除外
- 目標年(2030年): 57,339(t-CO2 eq)※森林吸収値を除外
- 直近年(2024年): 87,516(t-CO2 eq)※今回算定した9か月実績を12か月に推計
<お問合わせ先>
株式会社Zevero
担当:藤井 友香
E-mail:yuka.curac@zevero.earth
白馬村役場 総務課
担当:(課長)田中 克俊、(係長)田中 元気、(GX統括監)白濱 雄太
電話:0261-72-7002(直通)
FAX:0261-72-7001
E-mail:somu@vill.hakuba.lg.jp
<株式会社Zeveroについて>
Zeveroは、企業がネットゼロ実現に向けた取り組みを支援する炭素会計および脱炭素化プラットフォームのリーディングカンパニーです。英国発のAI自動算出を活用した炭素会計ツールと、シンガポール発の最新LCA(ライフサイクルアセスメント)技術を統合し、炭素排出量の可視化だけでなく、排出削減に向けた具体的なアクションを支援します。
Zeveroは、現在20カ国以上ものクライアントにサービスを提供し、約1億kgCO2e以上の排出量を管理実績があります。「企業がインパクトのあるサステナビリティ戦略をグローバルで構築できるよう支援する」を企業ミッションとしています。
詳細はhttps://www.zevero.earth/jaをご覧ください。