松本山雅F.C.は8月26日、松本市の総合球技場アルウィン(松本市神林)で、今月4日に急性心筋梗塞のために急逝した松田直樹選手(享年34)の「お別れ会」を開催した。県内外から約3200人のサポーターが集まった。
当日は、松田選手の功績をまとめた特別映像をピッチ上に映した。松田選手が好きだったというケツメイシの「仲間」をBGMに、入団記者会見の様子や山雅での唯一の得点シーンなどを約10分にわたり上映した。
背番号「3」について、大月弘士社長は「あえて永久欠番にしない決断をした」と発表。「いつか『3』を付けてみたい、マツを目指したいという選手を育てることを約束したい」と誓った。今後の試合でスタンドに飾られる「3 MATSUDA」と記されたビッグフラッグの完成お披露目も行われた。
友人代表として木島良輔選手がスピーチ台に立ったが、涙があふれなかなか言葉が出ない。「まだ信じられず、受け入れられない自分がいる。正直、『本当は山雅に来ていなかったのでは』と感じてしまう」と胸の内を語り、「サッカーをやれる状態ではないが、マツやチームのために最年長として戦わなければならない。マツのためにも絶対に昇格したいので、ぜひ皆さんの力を貸してください」と語りかけ、空を見上げながら「マツ、助けてくれ。見守っていてくれ。ありがとう」と松田さんに向けてメッセージを送った。
松田選手の姉・真紀さんも来場し、「サッカーが大好きで大好きで大好きだった直樹が選んだチームで、たくさんの方に愛していただいたこと、幸せだったと思う。本当に今までありがとうございました」とあいさつ。須藤右介キャプテンは「一緒に戦ってくれると思う。マツさんと一緒に昇格したいのでこれからも応援をよろしくお願いします」とサポーターにメッセージを送った。
サポーターはマフラータオルを振り回し、松田選手のチャントを何度も大声量で歌い上げた。終盤には、北側の空に緑色の花火が打ちあがり、松田選手を見送った。市内から家族4人で来たという高山淳さん(40)は「まだ信じられないけど、J2に昇格できるよう声をあげて応援していきたい」と話した。
当日は献花台のほか、入場ゲートから西メーンスタンド側通路にかけて、松田選手の試合中の様子やオフショットなどを写した写真パネルや愛用品の展示、地元テレビ局や全国ネットで放送された特番などが流され、会終了後もじっくりと展示品や映像を見て回るサポーターの姿があった。