松本市は11月8日、市営松本城大手門駐車場(松本市大手3)に設置した電気自動車(EV)用充電器の利用を開始した。
同駐車場に設置したのは、急速充電器(約30分で80%の充電が可能)1基と、普通充電器(約1時間の充電で約20キロ走行可能)2基。どちらも無料で使うことができる(駐車料金は別途必要)。
8日には、市の公用電気自動車を用いて充電のデモンストレーションが行われた。車の充電口に充電器のコネクターを差し込み、操作パネルのボタンを押すと充電がスタート。パネルには充電にかかる時間や電力供給量が表示される。電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の場合、80%の充電で80~100キロほどの走行が可能だという。
市は二酸化炭素を排出しないEVカーを、上高地・乗鞍高原・美ヶ原・安曇野など優れた自然環境を持つ信州・松本広域観光の交通手段として考え、交通事業者・観光事業者や地域行政が協働して「EV観光地域」を創出することを目指す。10月には沢渡駐車場に普通充電器2基、美ヶ原高原に1基を設置。年内には乗鞍高原にも急速充電器2基と普通充電器1基の設置を予定している。
現在、中南信地域には市が設置する4カ所のほか、鈴与商事(本社=静岡県静岡市)が運営するガソリンスタンドやレンタカー営業所14カ所にも充電器が設置されている。同社はEVレンタカー事業も9月から展開している。
「レンタカーの貸し出しや、充電所の利用も少しずつ増えてきている」と市商工課担当者。今後、市内の文化施設などに充電設備を新設することも検討中で、充電インフラを整えていく方向だという。