松本の老舗しょうゆ店跡に古道具店-趣のある雰囲気残す

老舗しょうゆ店の雰囲気を残した趣のある店内(撮影:北谷英章さん)

老舗しょうゆ店の雰囲気を残した趣のある店内(撮影:北谷英章さん)

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 松本市役所東側の143号線沿いに「古道具 燕(つばくろ)」(松本市城東1、TEL 0263-88-2177)がオープンして2カ月が過ぎた。

夜になると一層風情のある雰囲気になる店舗外観

 店舗面積は約10坪。店主でデザイナーの北谷英章さんが各地の骨董(こっとう)市などから仕入れてきた商品を扱う。タンスや机、ソファ、スツールなどの家具をはじめ、ランプシェード、時計、扇風機、箱物、食器、ガラス瓶など、さまざまな商品を並べる。現在の価格帯は100円台~5万円台。

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 同店は老舗しょうゆ店「小原商店」跡。店内はほとんど手を加えず、「小原商店」の雰囲気を残し、机などの備品もそのまま使用している。

 昨年10月、北谷さんが「小原商店」を訪れた際に、店主から「年末に店を閉めて駐車場にする」という話を聞き、「こんなに趣のある建物を壊すなんてもったいない。借り手を探すので待ってほしい」と頼んだという。しかし、なかなか借り手が見つからず、当時近くにあった北谷さんのデザイン事務所と「小原商店」の雰囲気が似ており、古いもの好きだったこともあり、北谷さんが事務所を移転して使うことに。その際、「事務所として使うだけじゃもったいない」と、かねてから好きだった古道具を扱う店をやろうと4月から準備を進め、6月のオープンにこぎ着けた。

 北谷さんには仕入れにこだわりがある。「ゴミとして捨てられてしまうものの中から『救い出す』ような感覚。『燕』に持ってきたらちゃんと『生活の中で使えるもの』としての付加価値が付くようなものを見つけたい」と話す。「昔のものは今では作れないようなラインやシルエット、デザインのものがたくさんある。素材の使い方もぜいたく。今みたいに使い捨ての意識がなく、長く使うことを考えているからでは。昔の人のものづくりに対する意識の高さをひしひしと感じる」。仕入れ後は汚れを落として店頭に並べる。「家電製品は再度組み立てられるところまで分解してきれいにする。愛着が沸き、その製品のことを理解できるので…」。

 「『デザイン業のついでに店をやる』という感覚ではない。ちゃんと自分の目線でいいと思うものを扱う店にしていくつもり」と北谷さん。「価値を見いだされずに捨てられてしまいそうな古道具たちをなんとか救い出して、愛着を持って長く使ってもらえる人に手渡せる場になれたら」とも。

 営業時間は、水曜~金曜=13時~19時、土曜=11時~19時。日曜・月曜・火曜定休。

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