安曇野の小学校で絵本ライブ-県の名産品でご当地ソング作りも

絵本ライブの様子。山田賢一校長そっくりの似顔絵に会場は大爆笑

絵本ライブの様子。山田賢一校長そっくりの似顔絵に会場は大爆笑

  • 0

  •  

 安曇野市の穂高西小学校(安曇野市穂高柏原)で5月28日、絵本作家・長谷川義史さんによる「絵本ライブ」が行われた。

[広告]

 大阪出身の長谷川さんはグラフィックデザイナーやイラストレーターを経て、2000年に絵本作家としてデビューした。長谷川さんが「絵本ライブ」を始めたのは8年ほど前。図書館などに呼ばれるようになり、子どもたちの前で読み聞かせをする機会が多くなったときに、「講演のようにただ話すより、ライブのようなものの方が子どもたちが楽しんでくれる」と感じ、パフォーマンスを取り入れた「絵本ライブ」を開くようになった。

 当日は全校児童や教職員のほか、保護者や近隣住民など約600人が同校講堂に集まった。自身が作詞した大阪のご当地ソングとして知られる替え歌「大阪うまいもんのうた」のBGMで登場した長谷川さん。用意された模造紙に墨汁で校長の山田賢一さんの似顔絵を描くと、あまりに似た仕上がりに会場からは大きな笑いが起こり、山田校長は恥ずかしそうに笑っていた。

 児童たちの心をつかむと、次は絵を描きながら物語を進めるライブパフォーマンスを行った。題材は落語の「鰻屋(うなぎや)」。登場人物と建物を描き、「おい、あそこにうなぎ屋があるぞ」「本当だ」とせりふを言いながら登場人物の目に輪郭を描き足すと、正面を向いていた登場人物の絵が建物の方を見ている絵に早変わり。一瞬の出来事に会場からは「おー」と声が上がった。

 次は長谷川さんの絵本作家デビュー作「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」と「いいから いいから」の2作を朗読。スライドでページを大きく投影しながら、長谷川さんはユーモアたっぷりに読み上げた。「いいから いいから」は、何でも許してしまうおじいちゃんと孫の話。朗読後、長谷川さんは「『いいから いいから』っていうのは、世界を平和にする合言葉。怒るとその怒りが周りに伝わっちゃうので、友達とけんかをしてもなるべく許してあげて」と児童に語りかけた。

 最後に歌の時間を設け、「大阪うまいもんのうた」の長野県版をみんなで作ることに。長谷川さんは児童たちから挙がった長野県の名産品を歌詞にし、全校児童で振り付きで歌い上げた。長谷川さんから誕生日の児童に歌のプレゼントがあったりと、終始笑顔と笑い声の絶えない1時間の「絵本ライブ」が終了した。

 臼井舞彩ちゃん(5年生)は「長谷川さんの絵本は図書館にあるので読んだことがあった。とても楽しかった。絵の描き方を教えてほしい」、酒井広紀くん(同)は「何でもすぐに歌にしちゃうのですごいと思った」と笑顔で話していた。

 「みんな楽しそうに聞いてくれたので良かった。7月まで松川村の『安曇野ちひろ美術館』で原画展も行っているので、ぜひ見に行ってほしい」(長谷川さん)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース