信濃毎日新聞社(長野市南県町、TEL 026-236-3377)は7月23日、長野県内に生息する昆虫をまとめた「見つけよう信州の昆虫たち」を発売する。
同書は、長野県内で見られる昆虫1,400種を生態編と標本編に分けて掲載したオールカラーの昆虫図鑑。生態編では、アゲハチョウの幼虫の比較写真、セミの抜け殻の判別方法、さまざまな昆虫の飼育方法などを細かく紹介。標本編では、見られる時期や場所、観測時間帯、珍品度などを昆虫ごとにイラストで記載。特徴のある昆虫には解説も付く。そのほか、絶滅した昆虫や人に害を及ぼす昆虫、標本の作り方なども紹介する。裏表紙には、昆虫を採取したときすぐに大きさを測れるように、定規の目盛りのデザインを施した。
3年ほど前、松本むしの会会員の有志4人が構想を練り始め、昨年秋ごろに同社に企画を持ち込んだという。標本や写真はすべて4人でそろえた。「今までに出ている図鑑は、県内にいない虫が載っていたり、『チョウ』や『カブトムシ』など特定の昆虫をまとめたものが多いので紛らわしいと感じていた。だから、地域で見られるさまざまな昆虫をまとめた図鑑を作りたかった」と同会会員で山と自然博物館(松本市)館長の丸山潔さん。
編集を担当した同社の山崎紀子さんは「これだけの写真や情報をよく集めたなと感心した。4人の長年の収集と熱意がとても感じられた」と話す。
同社オンラインショップでは、カバーに何匹カブトムシがいるかのクイズ企画も立ち上げた。「(クイズも含め)子どもを意識して作ったが、昔、昆虫採集に夢中になった大人たちも楽しんでもらえると思う。親子で楽しめる図鑑になった」と丸山さん。「夏休みの自由研究の手助けになると思う。これを見て自然に興味を持ち、親しむきっかけになれば」とも。
B6版320ページ。価格は2,625円。全国の書店と同社オンラインショップで販売中。