長野県護国神社(松本市美須々)に現在、干支(えと)の「午(うま)」にちなんだ馬の大絵馬が飾られている。
絵馬の大きさは縦2.3メートル、横3.7メートル。エクセラン高校美術科絵画専攻2年生の松岡莉奈さん、島田遥さん、両角絢さんの3人が制作した。中央には朱色のたてがみと尻尾を持つ大きな白い馬を、背景には成長が早く生命力の象徴とされる麻の葉柄などを描き込んだ。
同校が大絵馬制作を手がけるのは今回が初めて。10月下旬から約2カ月間、美術部の活動として放課後や土曜に同神社の弓道場に通い作業を進めた。同校美術科主任の小林努教諭は「(生徒に)大きな平面に絵を描く経験をさせたいと考え引き受けた。学校から神社までは距離があるので送迎は大変だったが、良い学びの機会になった」と振り返る。
デザインは当初、走る馬の姿も考えたというが、「物、人、思いを背負って運ぶ馬をイメージし、一歩ずつゆっくり歩く姿を描いた」と島田さん。アクリル絵の具で塗る際に、むらが出ないように色を重ねたり、背景の模様や両端の文字をまっすぐに描いたりすることに苦心したという。「難しさもあったが、これだけ長い期間、3人と先生で共同制作ができたのは初めてだったので楽しかった」と両角さん。
12月22日には除幕式が行われ、同絵馬が披露された。松岡さんは「弓道場は冷えるので、徐々に寒さが厳しくなっていったが、それで年明けの空気を思い浮かべることができた。新しい年に、多くの人に見てもらえたら」と笑顔を見せる。