
北欧デザインの魅力を伝える特別展「ロイヤル コペンハーゲンと北欧デザインの煌(きら)めき アール・ヌーヴォーからモダンへ」が現在、松本市美術館(松本市中央4、TEL 0263-39-3400)で開催されている。
神奈川、福島、広島で行われてきた巡回展。デンマークとスウェーデンで19世紀末~20世紀に作られた陶磁器や銀器、ガラス器など約200点を展示する。
「ロイヤル コペンハーゲン」はデンマーク王立磁器製作所が起源。上質な磁器の生産で早くから国際的な評価を得て、北欧アールヌーボーの先駆けとなった。初期から制作されてきた染め付けの小花模様のシリーズ「ブルーフルーテッド」や「ブルーフラワー」の皿やカップのほか、動植物を絵画のように描いた花瓶なども並ぶ。
同時期に双璧を成した「ビング オー グレンダール」の陶磁器や、同社でキャリアをスタートしたジョージ・ジェンセンが後に創業した「ジョージ・ジェンセン」の銀製品も紹介。スウェーデンのガラスメーカー「オレフォス」や「コスタ」のガラス器もある。
会場内は撮影が可能。愛らしい動物の姿をかたどった「フィギュリン」と呼ばれる小さな彫像を並べたコーナーや、出展作品を組み合わせてしつらえた「ディナー・テーブル・セッティング」コーナーも用意する。
11日には内覧会が行われた。臥雲義尚市長は「北欧の人々が大切にしてきた日常の暮らしは、私たちの暮らしを見つめ直す示唆になる」とあいさつ。出席したデンマーク王国大使館のティーネ・ハリスン・ラスムセン公使参事官は「自然から発想を得たデザインや、美意識は両国に通じている。同展が文化の架け橋となれば」と話した。
開館時間は9時~17時。入場料は、大人=1,500円(電子チケットは1,400円)、大学生、70歳以上の松本市民=1,000円(同900円)、高校生以下無料。月曜休館(8月12日と9月22日は開館)。9月23日まで。8月20日14時からはコレクションを出品した日本大学教授・塩川博義さんの記念講演会を行う。入場無料、定員50人で申し込みはウェブで受け付ける。