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松本・中町のギャラリーで画家・清沢孝之さん個展 生まれ育った町の風景描く

「故郷での初個展はうれしいが緊張する」と清沢さん

「故郷での初個展はうれしいが緊張する」と清沢さん

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 松本市出身の画家・清沢孝之さんの個展が現在、松本・中町通りのナカツカビル3階の「器と工芸 なかつか」(松本市中央2、TEL 0263-32-4168)で開催されている。

器やワイヤアートと共にディスプレー

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 日本画16点を展示する。題材は、有明山、常念岳、乗鞍岳、美ケ原などをはじめとする信州の風景。「赤い壁」というタイトルを付けた作品は、安曇野・禄山美術館の裏側の赤レンガの壁を描いた。ネジバナやケイオウザクラといった花を描いた作品もある。

 清沢さんが用いるのは鉱石を砕いて作られた岩絵の具。水で溶いて使い、粒子の細かさによって異なる色や質感を生み出している。好きだという群青色は、火にかけて熱を加えることで、より深い色合いを表現。山際に金箔(きんぱく)を貼って、その上から色を重ね、光のニュアンスを描き出したものもある。同展のために、高校時代までを過ごした松本を中心に県内に何度か足を運び、スケッチを重ねた。「記憶の中にある風景と目の前にある風景を重ね合わせながら制作した」と話す。

 清沢さんは1957(昭和32)年生まれ。東京芸術大学大学院で日本画を学び、日本画家・稗田一穂さんに師事した。埼玉や富山、松本で教員として勤め、現在は金沢で制作活動を行っている。

 同ギャラリーで絵画の展示企画を担っている美術家・雨海武さんとは、予備校時代の同級生。一昨年に連絡を受けて、県内初の個展が実現した。「これまでなかなか縁がなかったが、いざ展示するとなると、うれしさもあるが緊張もしている」と清沢さん。小学校~高校時代の同級生や教え子などが同ギャラリーを訪れ、久しぶりの再会を喜んだり、懐かしい話に盛り上がったりする時間もあるという。

 店主の錦織康子さんは「清沢さんの人柄を映したような優しい作品は、他のアートともなじむ」と話す。「工芸の五月」の期間中ということもあり、店内では清沢さんの作品と、器やワイヤアートを取り合わせたディスプレーも。清沢さんは「大好きな信州な山への感謝と思いを込めて描いた作品。普段見ている風景と重ねて、楽しんでもらえれば」と呼びかける。

 作品は全て販売する。価格は7万円~。営業時間は10時~17時。水曜・木曜定休。5月27日まで。

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