特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」が現在、松本市立博物館(松本市大手3、TEL 0263-32-0133)で開催されている。
昨年10月、東京・国立科学博物館を皮切りにスタートした巡回展。2013(平成25)年にユネスコ無形文化遺産に登録された和食について、科学と歴史の両面から探究し、魅力を伝える。
展示は5章構成で、第1章「『和食』とは?」では、世界と日本の食を比較。日本の風土が深く関係しているとして、地質や水質についても解説する。第2章「列島が育む食材」では、山菜やキノコ、野菜、魚介類などを標本やレプリカで紹介する。
第3章「和食の成り立ち」では、和食のルーツとされる縄文時代から戦後の食卓まで、再現模型を用意。織田信長が徳川家康をもてなした本膳料理や、江戸時代の天ぷらやすしの屋台もある。来場者から募った「忘れられない和食」から地域や世代の違いを知る第4章「わたしの和食」、和食を取り巻く現代の動きについて考える第5章「和食のこれから」では、和食の現在から未来を展望する。
同会場の独自企画として、「松本の食」についてのトピックスも各章で展示。まつもと城下町湧水群や、松本城二の丸御殿跡から出土した「焼塩壺(やきしおつぼ)」のほか、信州の伝統野菜や郷土料理などについてもまとめている。周辺の飲食店や宿泊施設で提供する商品を説明するパネルも用意。同館課長補佐で学芸員の山村里佳さんは「場所柄、観光客も多いので学芸員3人が分担して作成した。あらためて和食の魅力を知る機会になれば」と話す。
開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入場料は、大人=1,000円、大学生・70歳以上の松本市民=600円、高校生以下無料。火曜休館。12月8日まで。期間中は、みそ汁やだしの振る舞い、お茶の飲み比べなどのイベントも行う。