長野県内の市町村の広報担当者が情報交換し、ノウハウを共有する「信州広報サミット」が9月5日、塩尻市の地域DX拠点「core塩尻」(塩尻市大門一番町)で行われた。
県内18市町村の広報担当者27人が参加。今年の全国広報コンクールで入選した松本市、茅野市、塩尻市の担当者が登壇した。
松本市は、2018(平成30)年度に開設したユーチューブチャンネルを一昨年リニューアル。現在、動画を週に1、2本アップしている。担当者は「脱・お役所っぽさ」「飽きずに見てもらう」などのポイントを上げ、定期的でタイムリーな動画配信を可能にしている仕組みを紹介。自前で制作することで、市の意向を反映させやすく、手間と費用も軽減していると説明した。
茅野市は、「お知らせを一方的に伝えるのではなく、伝わる広報誌へ」をコンセプトに掲げ、「広報ちの」を2021年度に刷新。発行までの流れや作業、進め方などについて話した。入選したことで周囲からの期待値が上がり、「人手がない中、すぐに応えていくのが難しく悩みどころだが、期待を力に変えて頑張りたい」と担当者が思いを打ち明ける場面もあった。
後半は3、4人のグループに分かれてディスカッションを行った。主催した塩尻市企画政策部秘書広報課の清水隆朝さんは「同じ業務をしているからこそ分かる『あるある』や、事例、課題の共有をしながら、活発な意見交換ができた」と話す。
同イベントの開催は初めて。全国広報コンクールで県内の3市が入選したことを受けて、「広報担当者の横のつながりをつくることで、スキルアップや励みになれば」と企画した。清水さんは「広報担当は1人だけという所もある。さまざまな視点でアイデアが生まれるような場として、市町村が持ち回りで続けていければ」と期待を寄せる。