季節の葉物野菜や野草を使ったおかきを作る「葉田菓(はたか)」と、老舗あめ店「飯田屋飴(あめ)店」がコラボした菓子箱「かんしゃかんげきあめあられ」が6月1日、発売された。
「葉田菓」は松本市内在住の大江優さんが2022年に立ち上げたおかきのブランド。今回、企画に合わせて新たに、食用の松の葉を入れて蒸したもち米を使い「松の葉のおかき」を用意。飯田屋飴店の定番「落花生飴」とセットにした。ラッピングは市内のデザインユニット「YANOBI(やのび)」が手がけ、曲げわっぱのような楕円(だえん)形の箱に詰め、松葉をあしらった。価格は1,548円。
大江さんは2019年秋、家族で横浜から松本に移住。もともと現代アート作家として活動していたこともあり、子育てが一段落して「何か作りたい」と考え、目を付けたのがおかきだったという。「移住して、自然の木々や野草、スーパーに並ぶ野菜の『緑色』に感動した。ダイレクトに体に取り込める方法として、せんべいやおかきが良いのではと思った」と振り返る。季節によって食材が変わるため、1年かけて試作を繰り返し、ラインアップを決めた。
市内には洋菓子の製造会社は多くあったが米菓は少なく、ようやく見つけた「塩澤製菓」(波田)に直談判。大江さんの熱意が通じ、委託製造してくれることになったという。現在は、「そればな」「TOCA」「洋裁と愉(たの)しみ 多多(たた)」など市内の個人店を中心に、オンラインでも販売している。
昨年5月に、「マツモトアートセンター」(松本市大手1)で行われたイベントに初めて出店。その際に訪れた「飯田屋飴店」専務・伊藤雅之さんから企画を持ちかけられた。「あめとあられで、感謝を表すようなお菓子を作りたいとずっと考えていた。大江さんが快諾してくれて、ようやく実現できた」と伊藤さん。
6月1日・2日には、「マツモトアートセンター」のギャラリーで、お披露目会を開催。大江さんが店頭に立ち、訪れた人に菓子箱について紹介した。用意していた約50セットは完売。今後は受注販売を予定し、飯田屋飴店とオンラインで受け付ける。大江さんは「古いものと新しいもの、さまざまな縁と思いがつながって形になった。希望を渡す架け橋のような菓子箱になればうれしい」と話す。