穂高神社(安曇野市穂高、TEL 0263-82-2003)で5月2日から、「大遷宮(せんぐう)祭と穂高人形まつり」が行われる。
大遷宮祭は500年以上前から20年に一度開かれてきた、同神社で最も規模が大きく重要な祭り。同市の無形民俗文化財にも指定されている。三社並ぶ本殿のうちの一社を造り替え、新しくなった本殿に5月の寅の日の寅の刻(今年は9日深夜3時)に御神体(御霊)を移す「本殿遷座(せんざ)祭」がメーンとなる。神官たちが絹垣で囲んだ御羽車(おはぐるま)に御神体を載せて、新本殿に遷御する。御神体は、常に中殿には穂高見命(ほたかのみこと)、左殿は綿津見命(わたつみのみこと)、右殿は瓊々杵命(ににぎのみこと)になるように遷座を行う。
造り替えられたのは中央に建てられる中殿。材木はツガのムク材。中殿の屋根にのみ、棟(むね)の両端に交差して立つ飾り木・千木(ちぎ)と、勝男木(かつおぎ)を置く。勝男木と脇障子の仕組みは同神社だけに伝わる特殊なもので、「穂高造り」といわれている。不要になった社殿は、別の神社に活用してもらうのが古来からの習わしで、今回初めて県外の秩父神社(埼玉県秩父市)に譲渡する。
また「大遷宮祭」の記念事業の一環として、老朽化した拝殿を127年ぶりに新築。真新しい天然木材と銅板の屋根が輝いている。靴を履いたままいすに座って祈とうを受けられるバリアフリー構造。ガラス窓を多く採用することで、明るく開放的な拝殿へと生まれ変わった。
期間中は神事をはじめ、神話・民話・歴史上のさまざまな名場面を再現した「穂高人形飾り物」(長野県無形民俗文化財選択・安曇野市無形民俗文化財指定)を奉納する「穂高人形まつり」、特別参拝なども行われる。
今月17日まで。