見る・遊ぶ

松本で常田泰由さん作品展 信大生が企画、小さな本のワークショップも

市美術館で行われたワークショップ。15人ほどが参加し、小さな本を作った

市美術館で行われたワークショップ。15人ほどが参加し、小さな本を作った

  • 89

  •  

 信州大学人文学部芸術ワークショップゼミが、版画家・常田泰由さんの作品展「常田泰由-あなたとかたちー」を1月28日から、松本市の「ギャラリーノイエ」(松本市大手3)で開催する。

ペンやクレヨン、色鉛筆などを使って自由に描く

[広告]

 常田さんは下諏訪町出身。木版画を中心に、国内外で展示やワークショップを行っている。2021年、22年には、信濃毎日新聞の「思索のノート」の挿絵を担当した。同展では、版画やコラージュ作品を中心に、本の形式の作品を用意する。

 同ゼミでは、昨夏、授業で常田さんを招いてワークショップを開催。後期、展示を企画するに当たって、あらためて常田さんに依頼し、準備を進めてきた。3年生の白鳥舞美さんは「常田さんの創作活動の一端を体験できたことがとても興味深く、作品だけではなく作るプロセスも含めて皆さんに紹介したいと考えた」と振り返る。

 同展に先立ち、小さな本を作るワークショップが1月22日、市美術館(中央4)で行われた。まずは、用意したペンやクレヨン、色鉛筆などを使って、大きな紙に何でも自由に描く。その紙を8センチ四方にカットしてできた正方形のカードの中から、気に入ったものは自分の机に、それ以外は交換用の机に置く。参加者それぞれのカードが集まった交換用の机から、好みのものを選んで自分の机にあるものの中に加えていく。

 参加者は、描いたり切ったりする作業は黙々と進めていたが、交換用の机の前では、カラフルなカードを見ながら会話が弾んだ。「この絵は何?かわいい」と言われてうれしそうにする女の子の姿も。「最初は自分が描いたものを中心に考えていたが、ほかの人のカードを加えることで予想外のものが生まれた」「正方形なので、上下左右好きなように置ける。自分が描いたものとほかの人が描いたものが偶然つながって面白い」などの声も聞かれた。カードを順に並べて束ね、最後は背の部分にのりを塗って、寒冷紗(しゃ)という布を貼ってとじ、小さな本が完成した。

 「最初に描いた大きな絵とは全く違う姿、形になる。作ってみないとどういうものができるか分からないこともあり、創作する過程を楽しめる」と白鳥さん。展示期間中にも、同様のワークショップや常田さんのトークイベントを予定する。「年齢問わず参加できることも魅力の一つ。アートを身近に感じてもらうきっかけになれば」とも。

 開催時間は11時~17時。入場無料。2月5日まで。1月28日はアーティストトーク(13時~14時)、29日はワークショップ(11時~15時)とゲストトーク(15時30分~17時)を行う。申し込みはウェブサイトで受け付ける。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース