劇団「野らぼう」が現在、野外劇「事象T~とっても情熱的な戀(こい)の理論~」を松本・あがたの森公園(松本市県3)多目的広場で上演している。
坪内逍遥訳の「ロミオとヂュリエット」を原案にした会話劇。シェークスピアの古典を同劇団らしく解釈し、テンポよく仕上げた。出演は、くずおか由衣さん、成田明加さん、前田斜めさん、水野安実さん。「ゼロカーボン演劇」と銘打ち、照明や音響には、昼間に太陽光パネルを用いて充電した電力を使う。
会場は、客席を設けず立ち見で観劇。開演前には、照明や舞台装置がある「ステージ」を遠巻きに囲む観客に向けて、前へ来ることを促すアナウンスがなされた。周囲は暗く、360度開けた夜の野外ならではの特徴を生かした展開や、暗転など見る者に委ねられる場面も。約40分の上演が終わると、観客からは大きな拍手が送られた。
同劇団は2018(平成30)年に結成。これまでも同公園などで、野外劇を上演してきた。原作がある古典作品は初挑戦。作品選びから解釈まで、メンバー同士が長い時間をかけて向き合ってきたという。
同公園を皮切りに、市内では2カ所、県内では上田や下諏訪、県外では福島、高知、愛媛などを巡回。公演を経て、来年の春以降に1時間を超える作品にする予定で、今回は「序章」と位置付ける。作・演出を手がける前田さんは「上演を重ねて変化していくし、会場が変われば雰囲気も変わるので、何度も楽しめる。夜は冷えるが、熱い芝居を見せていきたい」と意気込み、暖かい格好での来場を呼びかける。
開始時間は20時。投げ銭制。10月1日まで。雨天決行、荒天中止。開催情報はツイッターで確認できる。今後、市内での上演は、松本城大手門桝形(ますがた)跡広場(大手3)10月27日~29日20時、南部公園(平田東1)11月18日15時と19時。